プロローグ/夢が現実になった!(2005/08) [第二部 序章 撮影準備スタート!]
「故郷・田辺で映画を撮りたい!」
それが長年の夢だった。でも、監督業を始めてからも、チャンスはなかなか訪れなかった。
それどころか・・・生活するだけで・・・精いっぱい・・・。
日本の監督の大半は貧しく、スピルバーグのように大金持ちになることはまずない・・。
どんな作品でも、撮らせてもらうだでけ感謝!というのが実情。
自分の撮りたい作品を撮るなんて、黒澤明監督でもなかなかできなかったこと。
けど、どうしても田辺で映画を撮りたい!その夢を実現すべく、スタートしたのが5年前だった。
ほとんどの仕事を断り、時間をつくり、田辺を舞台にオリジナル脚本「ストロベリーフィールズ」を書いた。
製作費を集めるために駆け回った。東京の映画会社やビデオ会社を営業。田辺に何度も通い、協力援助を求めた。
当初はどこでも門前払い。話を聞いてくれても「難しいなあ・・」と言われた。地元でも「映画だけはアカン!」と拒否され続けた。
でも、田辺のまちを訪れるたびに、「この素敵な町で映画を撮りたい!」という気持ちは強くなって行く。
「ストロベリー」が撮れたら死んでもいい。そう思いながら多くの人を訪ねた。
1年、2年、3年、と足掻き続けていると、1人、また1人と応援したいと言ってくれる人と出会う。協力しましょうと言ってくれる人が出て来る。
毎回、涙。輪はどんどん広がり、田辺からも応援の声が上がって来る。
そして、さまざまな難関、紆余曲折を経て、ついに数週間後には撮影が始まろうとしている。
ここまでくれば、応援してくれる多くの人々に、感動の涙を流してもらえる最高の名作を作るだけだ!