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第十四章 撮影直前・準備篇 ブログトップ
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シナリオというもの(5)情景を想像する 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 では、先に紹介したシナリオのシーン1〜2に、ロケ地の写真を入れてみよう。これで読むとかなりイメージしやくすなる。

 本来は、その情景を想像するのだが、試しにやってみる。先に読んだときと比べて、どう感じるか?読んでみてほしい。 

         <シナリオ>

(1)街の風景(朝)               <田辺の町>                       

        青い空。白い入道雲。

        古い神社。狭い路地。木造の家。昔見たような懐か
        しい街並み。

大人になった夏美のモノローグ「ここが私の生まれた街。この町で
  過ごした十七年間は今も忘れられない・・・。この川は小学生
  のとき、よく泳ぎにきた・・」
                辻の餅、田辺運送、ひまわり。

         勝徳寺。
         古いお寺。庭をはく、修行僧・鉄男。
M「この町にはたくさんお寺がある。ちなみにここは鉄男さんが修
 行していたお寺。

 そして天神崎。ここから見る夕陽は最高だった。

 辛いときも悲しいときも、そんな風景が私を励ましてくれた。
  それから好きな物はイチゴ。イチゴを食べて夕陽を見れば元
 気になれた・・・」

        屋敷町から江川。高校生たち登校して行く。


(2)公立T陽高校・午前中          <東陽中学>
      
        木造の校舎。古く懐かしい。

        渡り廊下を歩く生徒 
        たち。板で張られた廊下。

        クラスに向う生徒。

        用務員の古本。電灯を取り替えるが、やる気なし。

M「これが私の高校。夏は暑く、冬は寒い、昭和初期に建てられ
  た木造の校舎。そして、これが私。高校二年生。でも、友達
  は誰もいなかった・・」

        生徒たち、皆、友達と一緒に話しながら登校。

        夏美だけが一人渡り廊下を歩く。空を見上げて
        入道雲を8ミリカメラで撮影する。



<つづく>
 
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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シナリオというもの(4)設定紹介 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 「ストロベリーフィールズ」のシナリオ。アメリカ映画の「おもいでの夏」風に大人になった夏美がモノローグで、昔話を語るという形式を取っている。

 それにより時代は昭和40年代頃の田舎町。高校時代の夏美という少女が主人公であることを伝える。

 他にも柔道部のマキ、いじめっこのボス・理沙。優等生で学級員の美香という登場人物が紹介される。

 夏美はメインキャラクターなので、他の子たち以上に背景描写が必要。どんな家族で、どんな家に住んでいるか? 等も見せる。

 それら設定、人物紹介と共に、物語も進む。ここが難しいところ。古い映画はそれら紹介にかなりの時間とエピソードを使う。全部済んでから、事件が起き、物語が始まる。

 が、今の時代。じっくりと紹介していると観客は退屈する。と、いって、物語の背景をしっかり見せないと、ドラマの世界観に入って来れない。

 そんなこともあるのでドラマを進めながら、設定を紹介していくのが現代の方法論。

 「ストロベリーフィールズ」もそれを踏襲。設定紹介をしながらも、どんどんとドラマは進み、事件へ向かって突き進んでいる。

 掲載したシナリオの次の場面から、いよいよ事件が起こっていくことになる。いずれ、続きのページも紹介するとして、シナリオというものがどんな感じなのか? 分かって頂けたと思う。

 俳優もスタッフも、これと同じシナリオを読み、誰がどんなふうに演じ、どの場所で、どんな風に撮影されるのか?を考えながら、撮影準備を進めているのである!


<つづく>
 
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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シナリオというもの(3)ドラマの始め方 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 さて、前回までに紹介したシナリオは、プロローグとでもいうべき部分である。

 細かくいうと「物語の舞台紹介「背景説明」「登場人物紹介」「物語が始めるきっかけ」等を見せるパート。

 プロローグで大切なのは、それらを観客に伝え物語の世界に引き込むこと。

 つまり、いつの時代の、どこの町で、どんな人たちがいて・・ということを語るのだ。

 昔話を聞くと「昔、あるところに、おじいさんとおばあさんが・・」というところから始まる。

 それも同じで、時代、場所、登場人物を最初に紹介することが、物語の基本である。

 「スターウォーズ」シリーズも同じ。

 「long time ago. galaxy far faraway・・・・(昔、昔、銀河系の彼方で・・)」

 という言葉で始まる。古今東西、皆同じ。

<つづく>

 
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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シナリオというもの(2)小説との違い 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 ロケ場所も「教室」としか書かれていないくても、古い木造校舎の学校なのか? 新しい鉄筋の建物なのか? 自分なりに考える。

 町も、自分の知るいろんな場所を当てはめてベストのものを選び、その町をイメージしながら、読まねばならない。

 また、このシーンは望遠レンズで撮影するのか? 広角レンズなのか?

 カットは細かく割るのか? ワンカットワンシーンなのか?

 音楽はどんな感じなのか? 或は状況音を効果にして聞かせるのか?

 そんな演出部分も含めて、想像して読むのがシナリオである。

 どんな名作のシナリオでも、ただ読んだだけでは感動はわき起こらない。それを読む人の想像力が大切。

 つまらない物語だと思えても、完成した映画を見て「こうなるとは思わなかった!」ということがよくある。



<つづく>
 
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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シナリオというもの(1)脚本の読み方 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 この数回。映画「ストロベリーフィールズ」のシナリオ、シーン1から6までを紹介した。

 小説とは文体も違うので、シナリオはとても読みづらいものだと分かって頂けたと思う。

 日本語なので読めないことはないが、なんだかスーーーーと読んでしまい、何も残らなかった・・・と思ってはいないだろうか?

 僕も高校時代に映画のシナリオを読んだとき、あまりにもあっさりしていたと感じた。スリルも感動もなく、拍子抜けした経験がある。

 が、それはシナリオというものの、読み方が分かっていないから。

 シナリオを読むには端的な記述から、登場人物の性格や背景を見抜くことが肝心。

 そして、キャラクターをどんな俳優が、どんな風に演じるかを想像せねばならない・・。 さらに詳しく説明しよう。

 

<つづく>
 
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


タグ:シナリオ
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映画「ストロベリーフィールズ」シナリオ決定稿(下)2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 シナリオは小説と違って、読めば誰でも分かるというものではない。

 状況説明とセリフが中心で、登場人物の容貌や衣裳の説明はほとんどない。まわりの風景描写も少ない。

 書かれた極僅かな記述から、あれこれと完成した映像を想像しながら読まなければならないのがシナリオ。

 だが、そんな難しいシナリオを俳優たちは読んで、セリフを覚え、役作りをする。
 
 谷村美月もこのシナリオを読みながら、「夏美が(佐津川)愛美ちゃんなら、こんなふうに言うだろうなあ・・」とか考えているはず。

 佐津川愛美は「ああ、ここ前回のシナリオと違って、セリフが言い易くなっている!」とか言っているかもしれない。

 (佐津川に合わせて夏美キャラをかなり変えてみた。こんなことをするから、戸惑うスタッフもいる。通常は危険な挑戦だが、太田組式では日常茶飯事!)

 そんな「ストロベリーフィールズ」シナリオ決定稿。その1部を、次回からご紹介する!

<つづく> 

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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映画「ストロベリーフィールズ」シナリオ決定稿(上) 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 シナリオ決定稿。指定通りに、タイトルの「ストロベリーフィールズ」のいちごをイメージするピンク色の表紙で上がってくる。

 これを使って撮影に挑む。すでに決定している俳優に発送。スタッフにも配られる。このシナリオを元に撮影準備をし、小道具や衣裳も揃える。

 僕は撮影中にもセリフを変更したり、設定を変えたりすることがあるので、このシナリオのまま映画になることはない。
 が、これが全ての基本であり、航海で言えば海図となる。

 「ストロベリーフィールズ」のあらすじは以前に紹介した。そのシナリオ上では、どう書かれているか? どんなふうに表現されているのか? 興味を持つ方も多いるはずだ・・・。

 <つづく> 

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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田辺の若き女優たちとリハーサルを! 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 死神、マキの父、母。夏美の父、母。先生たち。と、まだまだ重要な役が決まっていない。

 技術スタッフとの打ち合わせも続く。

 コンテも描かねばならない。

 各シーンの具体的な撮影法も考えてねば。

 だが、田辺から帰って以来、気になっていることがある。

 理沙(芳賀優里亜)の取り巻きを演じてくれる地元の女の子たちのことだ。

 エキストラではない。セリフのある役を演じてもらう。ほとんどの子が舞台経験があり、演劇で有名な高校で部活をしていたというが、映画は初めて。

 何とか、あの子たちとリハーサルが出来ないかと思っている。皆、カンのいい子ばかり、少し分かればすぐに適応するだろう。

 カメラで撮影する芝居とはどういうものか?理解してくれるはず。1時間でもいいから練習をさせたい。

 東京でやるべきことは山ほどある。撮影までに田辺に行く余裕はないだろう。
地元の子たちどころか、いちご4人娘の佐津川愛美や谷村美月たちのリハでさえまだしていないのだ・・。
 
 しかし、少し時間を割くだけで、あの子たちが延びれば映画自体もよくなる。何とかしたいが、まだ、今後の僕のスケジュールもハッキリしていない・・・。

<つづく>
 
*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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オタクP、誕生の背景(下)勘違い男 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 映画ファンが一番陥り易い構図がある。酷い作品に出会ったとき、ついこう思うことはないだろうか?

 「オレがシナリオを書いた方が、まだマシだ!」 

 誰しも思ったことがあるはず。だが、実際にシナリオを書いたことがあれば、どんな下らない物語でもなかなか書けないことが分かる。
 1本の作品を書き上げることが、どれほど大変か? 映画を見ているだけ、というのはどれだけ楽なことか痛感する。

 プロ野球を見ていて、三振する選手に「そんな球も打てねえのか!」と怒鳴っているヨッパライおじさんを見かけることがあるが、その人がバッターボックスに立っても絶対に打てない。

 テレビで野球を見ているのと、実際にバッターボックスに立つのは大違いなのだ。それに気付けない人がいる。同じ構図にいるのが、先のオタクPである。

 そんな勘違い男がPになり、スポンサーの代理人として現場に送られて来る。現場の仕事を見ている内に「このライターは才能ないなあ」「この監督は勉強が足りない」と感じるようになる。
 が、その根拠は酔っぱらい親父が、プロ野球を見ているとのと大差なし。評論家気分の映画ファンと同じ。自分がクリエイトせず、できたものに文句をいうだけ。

 やがて「俺がやった方がまだマシ・・・教えてやるか?」と勘違いを始める。「前のバージョンの方がいいに決まってるでしょう? そんなことも分からないの?」などと言い出す。が、それは批評とかアドバイスではない。自分の趣味を主張しているだけ。

 批評意見するというのは、状況を客観的に把握し、本質を掴み、ターゲットを考えて、どうすれば効率的か? クオリティが上がるか?を指摘すること。
 それには映画というものを、徹底して勉強せねばならない。

 そもそも、Pの仕事は監督やスタッフが仕事しやすいようにするのこと。高いところから口出しをし、命令することではない。
 素人同然の無知な者がベテランに意見し、方向を決める。そんな他の業界では考えられないことが、今、映画界では起きている・・・。

 映画産業にいろんな企業が参入することは、活性化に繋がる。が、素人Pを参加させてしまう構造が現場を混乱させ、作品レベルを下げている。
 この状況。多いに問題ありだ・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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オタクP、誕生の背景(上)現代の映画作り 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 脚本家の友人の話を聞き、こちらまでイライラした。もう少し書く。

 友人が怒りをぶつける若手P(プロデュサー)。学校で映画を学んだ訳でもない。自主映画経験もない。独自にシナリオを書いていた訳でもない。現場経験もない若造。

 そんな奴がプロデュサーという肩書きで、監督や実力ある脚本家に意見する。ダメな映画が生産されてしまう原因のひとつ。では、なぜ、そんなバカなことになるのか? 解説する。 

 昔は映画作りは映画会社の専売特許だった。スタッフは皆、映画作りに誇りを持ち、伝統あるスタジオで学び、育った。が、現代は、さまざまな業種の企業が映画作りに参加している。

 いろんな会社が少しずつ製作費を出し合って映画を作る、「製作委員会方式」が主流。映画とは関係のない会社も映像部門を作り、製作プロダクションに社員プロデュサーを送り込んでくる。

 が、その手の会社には映画作りのノウハウはない。上司や先輩も映画に関しては無知。新人が育てられる環境はない。
 またP業はさまざまな仕事があって、拘束時間が長い。残業どころか、寝ないで仕事ということもある。若手社員はすぐに辞めてしまう。

 人材補充のため会社側は、転職情報等で募集。それを見た映画好きの若者が応募。辞めて行く者が多いので経験がなくても、採用される。
 数年間アシスタント・プロデュサーを勤めて、仕事を覚えさせられる。が、それは単なる製作の段取りにしか過ぎない。ストーリー作りや演出は学べない。

 そこで勘違いが始まる。ネットの映画批評を読んだことがあるだろうか? 少数ではあるが、中には観客という立場を越えて、評論家か? 「私は業界の重鎮である」と言いたいかのような立場で批評を書いている人がいる。

 「これでは合格点は上げられない!」「この監督は、もう少しお勉強した方がよいだろう!」「もう一度、シナリオというものの意味を、考え直しなさい!」・・・あんた誰? というような書き込みがある。

 プロの評論家が書き込みをする訳はなく、一般の映画ファンの感想。なぜ、彼らはそんな尊大な口調で、高いところから批評するのか? そこにヒントがある・・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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