SSブログ
第十四章 撮影直前・準備篇 ブログトップ
前の10件 | 次の10件

絵コンテって何?(下) 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

  黒澤明監督以外にも、大林宣彦監督、松林宗恵監督、伊丹十三監督らも、コンテを描く。一部のシーンだけを描く監督もいる。

 僕も自主映画時代からコンテを描いている。僕の場合は絵コンテというより漫画に近い形。とてもうまいと言えるものではないが、イメージが伝わればいい。

 ある作品のときは全カット描いたが、もの凄い時間がかかる。労力も大変なもの。
1日がかりでも、そんなには描けない。

 その上、監督業は山ほどやることがある。絵コンテなんて暇がないという人もいる。
 
 ほんとにその通りだが「理由」のとき、大林監督も御自分で絵コンテを描いていた。時間があれば描いていた。撮影前も撮影中も描く、食前食後に描くという感じ。

 その姿を見て「時間がない・・」なんて言っていてはいけないと思えた。今回も絵コンテ描きます! 

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


nice!(1) 
共通テーマ:映画

絵コンテって何?(上)2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 「ストロベリーフィールズ」のシナリオ。友人のケースと同じように、この段になってあれこれ言う関係者もいたが、ロケハン前に完成させたバージョンで決定稿となる。

 業者に出して印刷。さて、次はコンテ書きである。

 コンテというのは、絵コンテともいい、そのシーンをどんなふうに撮るか? 絵にしたものを言う。

 黒澤明監督が「影武者」や「乱」のときに描いた豪華絢爛な絵コンテは画集にもなっているので、見たことがある人があるだろう。
 また、スピルバーグやルーカスの映画本を見れば、アメリカ版の絵コンテであるストーリーボードが載っていることが多い。

 ほとんどのアメリカ映画は、ストーリーボードが描かれる。そのための専門スタッフもいる。
 シナリオに書かれた文章だけではなく、絵コンテを作ることでスタッフに分かり易く伝え、映像である映画を合理的に撮りやすくなる。

 文章であれば、読む人によってイメージが変わるが、絵にすれば、誰が見ても「ああ、このシーンは俳優をアップで撮影するのだな」と理解してもらえる。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


nice!(0) 
共通テーマ:映画

オタクPが映画をダメにする(下)ゴマスリ親父 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 話を聞いていて、こちらの方が腹が立ってきた。そんなオタク兄ちゃんがなぜ、Pをやっているのか? 友人に聞く。

 彼はあるスポンサーから派遣されてきた社員P。以前は別の業種の仕事をしていたが、学生時代から映画が好き。

 といっても、大学で映画を専攻した訳ではない。シナリオの勉強をしてもない。単なる映画ファン。今の仕事が嫌で、学生時代に好きだった映画に関われることを夢見る。転職情報を見て映像系会社に入った。まだ、転職3年目。

 要はその辺の映画好き兄ちゃんと同じ存在。でも、Pという肩書きがあると、スポンサーの代理人ということになる。スタッフは一応、耳を傾ける。意見も聞こうとする。が、彼の発言は「趣味の主張」でしかない。

 現場が振り回される。単なる勘違い男。だが、バックにスポンサーがついているので、オタクPから次も仕事をもらおうとして、ゴマをすったり、へつらったりする奴が出てくる。


 
 明らかに趣味の押しつけであったり、脚本家や監督の意図を踏みつけにしているのに、年配のオヤジが「**さんの言う通りですよ!」とかヨイショ。賛同する。

 友人は「仁義なき戦い」で菅原文太扮するヤクザが、言ったセリフを思い出しす・・。

 「上がバカだと、下のもんが苦労するんじゃあ・・」

 よく分かる話。最近、その手のPは増えている。僕もそんな奴と何度も仕事をした。その手のバカが足を引っぱり、作品をダメにする・・・。人ごととは思えない!

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


nice!(0) 
共通テーマ:映画

オタクPが映画をダメにする(中)オタク発想 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 友人が書いたシナリオ。決定稿を印刷する! という直前になって、若いP(プロデュサー)がクレームをつけてきたという。

 「前の方がよかった。撮影は前のバージョンで行きたい!」

 数日で応急処置した問題だらけの版が、いいというのだ。頭おかしいのか? と友人は思った。

 そのPと話をするが、「なぜ、問題だらけの稿がいいのか?」よく分からない。論理的な説明はなく、ただ「前の方がよかった! そちらのシナリオで撮影したい!」と言い張るだけ・・。

 脚本家の彼としても、不完全なシナリオで撮影してほしくない。ちゃんと時間をかけて直した版を映画にしてほしい。
 それを応急処置で書いた版で行きたいというのは、作家としてのプライドを踏みにじるものである・・。

 友人は意味不明のP(プロデュサー)の言葉を何とか推理する。どうもPは物語上の問題点は、あまり分かっていない。ただ、応急処置の稿に、彼の趣味的な部分があったようだった。それがなくなったので、前の方がいいといっているだけ。

 つまり、オタク的な発想。客観的に、総合的に作品を見るのではなく、近視的に自分の趣味だけで「良い」「悪い」を判断する。
 「好き」=「いい作品」「嫌い」=「ダメな作品」。理屈でそれを説明することもできない。「なんか、いいんだよなあ」とか発言する。

 話を聞いていて、腹が立ってきた。そんなオタク兄ちゃんがなぜ、Pをやっているのか? 

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


nice!(0) 
共通テーマ:映画

オタクPが映画をダメにする(上)激怒する友人 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 脚本家の友人から厳しい話を聞いた。僕も似たような状況なので、他人ごとではなかった。

 友人が担当する作品。出資を予定していたスポンサーの1社が、突然に撤退。製作費がかなり減った。「この額で撮影はできない!」といい、P(プロデュサー)はシナリオを短くし中身を削るよう指示した。

 おかしな話だ。そもそも製作費を集めるのはPの仕事。逃げられたらなら、別のところから集めてくる責任がある。その努力せずに、尻拭いを脚本家にさせたのである。

 予算がないからと、完成しているシナリオを削ったら、確実にレベルが下がる。全くダメな作品になる可能性も高い。その長さが必要で、書かれた物語だ。
 ビル建設で言えば、すでに手元にある設計図を見て、鉄筋を2割減らしてくれというようなものである・・・。

 それでも友人の脚本家は、必死に考えて物語を削った。与えられた日数は少ないが、何とかシナリオを短くした。が、所詮は応急処置。時間を置いて読むと問題点がいろいろと出て来る・・・。

 数日で短くした物語に問題が出ない訳がない。ビルだって鉄筋を減らせば壊れやすくなるのだ。
 友人は数週間かけて、もう一度直した。多くの問題は解決される。一番最初のバージョンと同じレベルとはいえないが、限りなく近いレベルにまで上げた。

 壊れかけた家を直す場合でも、数日で応急処置をするより、数週間かけてしっかり直した方がよくなる。シナリオも同じだ。
 なのに、いよいよシナリオ決定稿を印刷する! という直前になって、別の若いPがクレームをつけてきたという・・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


nice!(0) 
共通テーマ:映画

映画撮影に使うカメラ?(5) 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 ニューヨークのテレビ局、ニュース1でもこのカメラが主力。FBIビル爆破事件のスクープでもVX1000が活躍した。

 数年後、それに対抗した凄いカメラが出る。パナソニックのDVXである。こちらはさらに素晴らしいカメラ。

 撮った映像をあるところで見せてもらう。それまでのビデオカメラの映像は鮮明だがいかにもビデオ的な画質。

 対して、こちらはフィルムに近い解像度。報道だけでなく、ドラマ撮影にも適している。レーザーディスクで見る映画のような感じだ。

 これ以後、DVXが報道現場を席巻。深夜ドラマ、Vシネマのカメラとしても使用される。が、今年、それ以上のカメラが発売される。

 その機能にプラスして、単なるデジタルではなくハイビジョンで撮影できる民生用小型カメラが登場する。

 それを「ストロベリーフィールズ」のカメラとして使いたいと考えている。開発した会社を訪れ、説明を聞かせてもらう。
 こちらの意図を話し、何とかカメラを提供してもらえないか?お願い。

 その件も、進めて行かねばならない・・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


nice!(1) 
共通テーマ:映画

映画撮影に使うカメラ?(4)VX1000の登場 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 これからは監督も技術を知らないと、映画作りはむずかしいと思える。

 5年ほど前から勉強を続け、新型カメラの展示会には毎回でかけ、係員を質問攻めにし、今回のカメラマンである三本木さんとも、常に勉強会をしている。

(写真下はデジタルカメラではなく、8ミリカメラの名器、キャノン1014XLs)

 当初、今回はバリカムで行きたいと思った。ラボで試写を見せてもらったが本当に美しい。田辺の美しい風景を撮影するには最適。

 だが、バリカムだと今回の予算を越えてしまう。別のカメラを考える・・。

 この10年、民生用が飛躍的にクオリティが高まった。97年頃に発売されたソニーのVX1000がまず登場。

 小型、高性能で、民生用にも関わらず、機能性の高さが評価されて、報道の現場を席巻した・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


nice!(0) 
共通テーマ:映画

映画撮影に使うカメラ?(3)劇場ではフィルム上映 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 そんな話をすると、勘違いする人がいるので注意点を書いておく。以上は撮影時の話であり、上映のときには相当しない。
 
 ハイビジョン撮影というのは可能だが、ハイビジョン上映できる劇場はまだまだ少ない。東京でも1館くらい、地方にはまだ存在しない。ハイビジョンで撮影したときは、フィルムに変換して劇場で上映するのが基本。

 その意味を勘違いして映画館やホールで、ビデオテープやDVDを使って上映すると大変。無理矢理に大型プロジェクターでスクリーンに映すと、とんでもない映像になる。

 以前、業界でも不勉強な人が「オリジナルはビデオだから、一番キレイなはず・・」と、プロジェクターを使いDVDを大スクリーンに映写した。

 画面は薄暗く、澱んだカラーしか再生されない。最悪の映像。お金を取って興行できる画像ではない。関係者が激怒。当然、観客もブーイング。大いに顰蹙を買った。

 劇場上映をする場合は、キネコしてフィルムにして上映するのが当然。ハイビジョンやビデオが素材の場合は、ブラウン管(或いはプラズマ・テレビ)で再生。


 *フィルムー>劇場上映   *ビデオ、ハイビジョンー>ブラウン管で再生

 これが基本だ。DLPという方式もあるが、ややこしくなるので省く。ま、劇場でビデオ上映・・なんてことをする愚かな人は、いないと思うが・・。念のため。

 話を戻す。ハイビジョン・カメラ。優秀で便利だが、レンタル料がまだまだ高い。低予算映画ではかなりきびしい。
 それ以外のカメラで方法はないか? この数年、カメラの勉強を続けていた・・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


nice!(0) 
共通テーマ:映画

映画撮影に使うカメラ?(2)ハイビジョンカメラ? 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 ソニーのシネアルタ。パナソニックのバリカム。

 この2つのカメラが今は主流。ほとんどの映画はどちらかで撮られ、フィルムで撮られる映画は激減している。

 キネコ(ハイビジョンー>フィルムに変換すること)というのが面倒だが、フィルムよりハイビジョンの方が合成や特撮がし易いのは大きなメリット。

 また、現像が要らず、現場でもすぐに撮った映像が見られる。編集も簡単。その気になれば、撮影した夜に編集ができる。

 編集は従来のような編集室も機材もいらない。パソコンがあればOK。

 経費があまり掛からない上に、簡単に速く作業ができる。ハイビジョンカメラは映画界の方法論を根本から変えてしまった。

 ジョージ・ルーカスが監督した「スターウォーズ/エピソード1」はハイビジョンで撮られ、ハイビジョンで劇場公開された初の映画。フィルムは一切使われていない。
 
 時代が急激に変わって行くのを感じる・・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


nice!(0) 
共通テーマ:映画

映画撮影に使うカメラ?(1)35ミリと16ミリ? 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 東京に戻る。休みなく作業再開。

 俳優のキャスティングもまだまだ残っているが、他にもやるべきこともまだまだある。まず、カメラの選定。その話を少しばかり書いてみる。

 昔は映画というのは必ずフィルムで撮影されていた。映画はフィルム。テレビはビデオ。

 フィルムには2種類あり16㎜と35㎜がある。(70㎜もあるが、現在では35㎜で撮影し、ブローアップされるので撮影では使われていない)

 35㎜は映画用、16㎜はニュース映画、テレビドラマ用だった。が、スーパー16㎜の登場で、劇映画にも使われるようになる。

 従来の16㎜より機能が高いので、35㎜にブローアップできる。撮影時に経済的なスーパー16㎜で撮って、完成時に35㎜にできるのが魅力で人気が出た。

 が、最近、フィルム映画はどんどん減っている。

 というのもデジタル技術の発達で、ハイビジョンで撮影して、キネコ(変換)して35㎜フィルムにするというのが主流なのだ・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


nice!(0) 
共通テーマ:映画
前の10件 | 次の10件 第十四章 撮影直前・準備篇 ブログトップ