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第九章地元オーディション篇 ブログトップ
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解答です! アストロ球団並? 2005/9/1 [第九章地元オーディション篇]


 前回の問題・・・。

 最初、「ストロベリーフィールズ」理沙役の芳賀優里亜、面接。
 次に、鉄男役の波岡一喜君との面談。

 さらに、シナリオのリライト。田辺ロケハン。
 そして理沙の取り巻きオーディション。
 さらに鮭山先生と用務員さん探し。

 以上のことがらで何日経過しているだろう?

 答え。

 芳賀さんとの面接。その日のブログを見てもらえば、日付が書いてある。

 2005年8月30日。

 そして、用務員役の古本さんが決定したのが、2005年9月1日!

 つまり、8月30日、8月31日、9月1日、

 答えは3日。

 しか経っていないのである。

 その間にエピソード数にして、65回分の日記が存在する。毎日、読んでいても、1か月分の話かと思った方もいただろう。

 でも、たった3日。その3日間。72時間で、あれだけの展開があったのである。映画作りとは、こういうもの。監督業とは、それをこなさねばならないもの。

 自分で振り返っても、ちと驚いた。

 思い出したのが、昔、少年ジャンプ」に連載されていた「アストロ球団」という漫画。

 6年も続いたのに、野球の試合がたった3つしか描かれていない。というのも、1試合を描くのに2年ほどかかる漫画なのだ。

 もちろん、基本は1試合は9回。なのに、2年近くも試合している。このブログも何だか、その乗りだなあ・・と思えたり・・。
 
 さて、ようやく、次回から、メイン・ロケハン2日目の話に入る!

<つづく>


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ここで問題!あれから何日経ったでしょう? 2005/9/1  [第九章地元オーディション篇]

 この「ストロベリーフィールズ」製作日誌。

 毎日読んでくれている読者の方なら、映画作りとは「いかに時間と労力がかかるものか?」分かってくれたと思う。

 映画というと「撮影」と思いがちだが、その撮影までにさまざまな仕事があること。むしろ、映画製作においては「撮影」は極々一部であること。実感してもらえたと思う。

 そんなことを、さらに実感してもらえる事実。

 ここしばらくのブログを思い返してみてほしい。東京で、理沙役の芳賀優里亜の面接の話を書いたのを覚えているだろうか?

 あのあと、鉄男役の波岡一喜君との面談。


 シナリオのリライト。

 東京から田辺に移動して、ロケハン。


 

 そして理沙の取り巻きオーディション。

 

 さらに鮭山先生と用務員さん探し。

 

 そこで問題! 以上の出来事で、何日経過しているだろうか?

 エピソード数にして、65回分。

 さあ、分かったかな? 答えは次回!

<つづく>


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用務員・古本役を探せ!(4)2005/9/1 [第九章地元オーディション篇]

 垣内さんは接客業をする上で、事実や内容、問題点を明確で分かり易い言葉で相手に伝える技術が 必要だったはず。 

 でも、単に分かり易すいだけの表現すると非常に機械的で、ロボット的な対応になってしまうことが多い。

 なので、やり手の営業マンというのは「気持ち」や「心」を込めて表現をする。「情熱」「やる気」「優しさ」をも伝える。

 さらに相手の気持ちを敏感に悟り、自分の思いを表現。それによって、お客は営業マンの熱意に打たれたり、優しさを感じて、信頼感を持つ。交渉もうまく行く。

 多分、垣内さんはそんなお仕事の中で、気持ちを言葉で表現するという高度な技術をマスターしたのだ。俳優と同じ「表現法」を会得していたのである。

 今回、台詞を読んだときには、いつもの「熱意」や「やる気」ではなく、逆の「やる気のなさ」「諦め」を無意識の内に言葉に込めたのだと思える。

 そう考えると、見事な台詞回しの背景が理解できる。こんな方がいるなんて、やはり田辺の演劇層は厚い!

 こうして用務員・古本役も決定した! さて、残るはロケハンである。

<つづく>


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用務員・古本役を探せ!(3)2005/9/1 [第九章地元オーディション篇]

 「今までに演劇経験は、ないんですよ・・」  

  垣内さんはそう言う。が、全く演劇をしていない人が、バック・グラウンドまで感じさせる見事な台詞を言えるはずがない!

 とにかく、用務員役は垣内さんに決定! 

 だが、なぜ、あんな風にできるのか? 理由が知りたい・・・。 質問した。

 ーー学生時代に演劇部だったんでしょう?

 ーー社会人になってからも、忘年会で余興をよくやっていますよね?

 そう聞いてみたが、全てが「NO!」。今回の弁慶祭が初めてという。

 理由がまるで分からない。そこでお仕事をお聞きしてみた。

 いろんなことを経験されていた。 いずれのお仕事もお客と接するもの。営業で訪ねたり、店で対応したり。
 つまり、仕事内容は製品を売ったり、システムを紹介したり、お客の質問に答えたりと、人とコミニュケーションをするお仕事のようだ。

 それで答えが分かった・・・。

<つづく>


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用務員・古本さん役を探せ!(2)  2005/9/1 [第九章地元オーディション篇]

 弁慶伝説保存会の方々にお願いして、引き続き映画「ストロベリーフィールズ」の地元オーディションをさせてもらう・・・。

 鮭山先生役の選考に続いて、全員に用務員・古本役の「世の中、こんなもんや・・」という台詞を読んでもらう。

  皆、それぞれに工夫して表現してくれたが、難しい。「やる気」のある役なら元気に力を入れて言えばいいが、「やる気」のなさを表現するのは大変。

 が、その中に独特の雰囲気を出す人がいた。特に体が大きいとか、背が高いとか目立つ部分はないのだけど、何か惹かれるものがある。

 お名前は垣内剛さん。有名俳優でいうと柄本明や米倉斉加年のような地味だが味のある感じ。
 台詞を読んでもらうと、「やる気のなさ」が、人生の苦労と共にリアルに伝わってきた。

 古本も若いころから「やる気」がなかったのではなく、いろんな苦労をして現在の境地に辿り着いたはず、それを垣内さんは台詞の読み方だけで表現してしまう。

 プロでもなかなかいない凄腕。こんな人が田辺にはいるのだ・・が、彼はこう言う。

 「実は・・・今まで、演劇経験はないんですよ・・」

 嘘でしょう!!!

<つづく>


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用務員・古本さん役を探せ!(1) 2005/9/1 [第九章地元オーディション篇]

 今回の映画「ストロベリーフィールズ」

何人かの俳優を、地元・田辺市で選ぼうと考えた。

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 そんな一人が、夏美(佐津川愛美)たちが通う学校の用務員・古本役である。

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 やる気がなく、何事も投げやり、先生たちの前ではそれなりに振る舞うが、生徒が挨拶しても無視するようなタイプ。

 「世の中は強い者に逆らっても無駄。努力しても簡単に成功するものじゃない・・」

 と思っている大人である。長塚先生や鮭山先生とは、正反対の存在。

 だが、悲劇をスタートさせる重要な役である。彼が運転する車が事故を起こし、マキ(谷村美月)たちは大変なことになるのだ。

 この古本役が出来る人を探すのは、かなり大変。俳優というのは、本人にないものは出ない。なら「やる気」のない俳優(?)を探さねばならない。

 でも、「やる気」がないなら、演劇などしないはず。ということは、「やる気のなさ」を表現できる演技力ある人を見つけるしかない!

(つづく)

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地元で俳優探し(11)弁慶軍団のリーダー 2005/9/1 [第九章地元オーディション篇]

 先にも書いたが泉さんは仕事場で皆を率いて、バリバリと仕事をするリーダー格のイメージがあった。

 弁慶伝説保存会の代表であり、芝居の練習を仕切っていた。そこにいるだけで、まとめ役的な、後押し役的な存在感がある。

 さらに一見、強引そうに見える泉さん。少しお話すると、実は凄く繊細で気の着く方だと思えた。

 「仕事に付いて来れない人はいないか?」「皆、問題なく作業ができているか?」いつも気配りを常にして悩み、考えていると感じる。

 そんな性格は見る人にも伝わるはず。その泉さんが副官的な立場で行動を共にするボスが長塚先生なら、彼がいかなる人物なのか?は自然分かってくるはず。

 ドラマに登場する京子先生も、長塚先生には一目置いている。それらによって彼は「他の先生たちからも、支持される主流派」であり、「学校で実権を持つ存在」であることを表現できるのである。

 ちょっと難しい話になった。が、そんな設定を表現するには、泉さんの存在が大いに力を発揮するのである。あとは現場での活躍を期待するばかりだ。

 さて、もう一人の地元で探さねばならないのが、用務員役の古本役である・・。

<つづく>


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地元で俳優探し(10)キャラの表現 2005/9/1 [第九章地元オーディション篇]

 ドラマの中でキャラクターの「背景」や「性格」を説明するのは、なかなか難しい。

 主役格であれば、エピソードの中で、「立場」や「生い立ち」を紹介。家族や恋人を登場させることで伝える方法がある。

 が、全てのキャラをその手法で説明する訳にはいかない。登場した瞬間に「どのような性格で、どんな立場の人であるか?」を紹介するのがドラマの基本。

 「ストロベリーフィールズ」の長塚先生の場合。真面目な教師であること。押しの強い性格であること等は俳優のイメージや服装で説明することができる。

 しかし、学校で主流派なのか少数派なのか? 他の先生に支持されているのか? いないのか?を伝えることはできない。

 と言って、それを表現するために職員会議のシーンを作り、彼が演説して皆が拍手して賛成する場面を作るのも大変。

  メインはやはり夏美(佐津川愛美)たち。全てのキャラクターを紹介するために時間を割くと、もの凄い長さになる。映画は省略の芸術とも呼ばれるくらいだ。それは避けたい。

 そこで考えたのが長塚先生と常に、行動を共にする鮭山先生の存在。彼を演じる俳優の持ち味で、その背景を説明することができる。それが泉さんだ。

(つづく)


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地元で俳優探し(9)長塚先生の意味 2005/9/1 [第九章地元オーディション篇]

 まず、この映画「ストロベリーフィールズ」に登場する長塚先生役から説明する。彼は夏美(佐津川愛美)が通う高校の学年主任。

 規則にうるさく、生活指導にも勢力的。そんな設定だけ見ればステレオタイプの教師にも見えるかもしれないが、非常に重要な役割がある。

 彼は単なる教師というだけでなく、大人の代表でもあるのだ。夏美の母は投げやりで現実を悲観する大人。マキの父は、子供に構わない仕事一筋の大人。それに対して長塚先生は子供たちに厳しい大人である。

 でも、そこに悪意はなく、彼が人生で学んだ全てを教えようとする真面目な教育者だ。 言い換えるとモーレツ社員であり、頑固オヤジ。

 そう、昭和40年代にはよくいたお父さんたちである。彼らは子供たちのために夜遅くまで働き、社会を支え、日本を発展させて来た。

 ここまで書くと、この日記を前々から読んでくれている方は、もうお気づきと思うが、「日本人の心の故郷」について書いたテーマの一端を担うのが、長塚先生なのである。

 良かれと思って頑張ってきた。日本人の暮らしを豊かにした。でも、失ってしまったものも多い。

 悪意はないのに、大切なことを忘れている。子供たちに伝えるべきものがあることに気づかない。そんなお父さんを象徴しているのである。

 さて、そんな設定を描く上で、もうひとつ重要なのが鮭山先生役である!

(つづく)


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地元で俳優探し(8)キャスティングの奥義 2005/9/1 [第九章地元オーディション篇]

 そんなふうに見た目だけでなく、その人の雰囲気が「いかに他の役に影響するか?」もキャスティングでは大切な要素だ。

 泉さんの場合。体大きく、強そうというのがまず魅力。仕事場でも仲間を率いてガンガンお仕事をされていると思えた。

 鮭山先生役にはピッタリ。だが、これでは「見たまんま」のキャスティングである。この先が重要。
 
 泉さんと少しお話すると、凄く繊細で周りの人の気持ちを非常に考える方だった。

 その部分が、鮭山先生のキャラを広げ、彼の上司ともいえる長塚先生の存在も大きくすると感じたのである。

 ここからが「第3の選択肢」に当たる部分。「他のキャラに与える影響」である!

 今回の「ストロベリーフィールズ」では、特に重要視している部分だ。

<つづく>


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