高山寺(1)一番多く撮影するロケ地 2005/9/3 [第十章 メインロケハン篇]
和歌山県田辺市。メイン・ロケハン3日目。で、考えた・・。
今回の映画「ストロベリーフィールズ」で、一番多く撮影をする場所はどこだろうか?
天神崎か?
会津川か?
東陽中学か?
それぞれに大好きなところで、いずれも何回かにわたってロケさせてもらう。が、シナリオを見て確認すると、ダントツで高山寺!
重複する場所もあるが、撮影シーンを基本に数えてみた。さて、何カ所だろうか?
<つづく>
地方で人気のある俳優は?Ⅳ 2005/9/2 [第十章 メインロケハン篇]
俳優がみんな『朝の連続ドラマ』や『大河ドラマ』に出たがるのは、地方でめちゃめちゃアピールするからなのだろう・・。
そう思っていると、おばちゃん!
「コニタン(小西博之)も、知ってるでぇ!」
ーーそら、田辺出身やし。ああ、小西さん。『ストロベリーフィールズ』に特別出演してくれるよ!
「ほんまあ? まーーよかったなあ。あの人。ええ人やし、田辺に愛があるさかいなあ・・」
そんな訳で、おばちゃんから情報収集。NHKの強さも知る。そう言えば、映画の協力を求めて町をまわったときに、応援に来てくれた女優さん。
彼女もNHKでレギュラー番組持ってて、「NHK」というだけで、みんなの見る目が変わったのを思い出す。
恐るべき、某国営放送・・。
(以下の写真は、夕食の一部)。
<つづく>
地方で人気のある俳優は?Ⅲ 2005/9/2 [第十章 メインロケハン篇]
ーーおばちゃん。映画館とか20年以上行ってないんでしょう?
「大杉蓮さん。NHKの朝の連続ドラマに出てるやないの!」
ーーああ、なるほどね〜! じゃあ、原田知世は?
「知ってる。知ってる。NHKのドラマに出てた子やろ?」
ーーそうか・・テレビか・・それもNHKかあ。
ーーじゃあ、ちなみに大林宣彦監督はご存知ですか?
「知ってる! 知ってる。大林監督(まるで知り合いのように!)、この間も『スタジオパークでこんにちわ』に出てはったで!」
ーーやっぱり、NHKかあ・・・。
<つづく>
地方で人気のある俳優は?Ⅱ 2005/9/2 [第十章 メインロケハン篇]
ーーほんなら、僕の方から名前を上げるから、知っているかどうか?教えて。
「ああ、その方がええわ。言うて! 言うて!」
ふと浮かんだのが大杉蓮さん。名優だが、シナリオが気に入れば学生映画でも出てくれるという俳優さん。
ーー大杉蓮。って言っても、おばちゃんは北野武監督の映画は見てないか?
「大杉蓮。知ってるよ! ええ感じのおじさんやろ?」
ーー何で知ってんの?
大杉蓮は北野武監督の映画でブレイク。「ソナチネ」「HANA-BI」等で名演を見せる渋い俳優である。
今回の「ストロベリーフィールズ」に主演する佐津川愛美が、出演していたテレビ・ドラマ「がんばっていきまっしょい!」。
その主人公・鈴木杏の父親役をしていたのも大杉蓮さん。だが、おばちゃんが見ているとは思えず・・。何で知ってるの?
<つづく>
地方で人気のある俳優は?Ⅰ 2005/9/2 [第十章 メインロケハン篇]
ちなみに、旅館・平の家のおばちゃんは、僕の母と小学校のときの同級生。お元気だが、そろそろ70才である。質問ーー。
ーーおばちゃん。「ストロベリーフィールズ」の撮影で田辺に来たら、嬉しい!という俳優さん、います?
「俳優さんかあ・・・」
ーー高倉健とかアカンよ! 僕の映画に出てもらえるレベルの俳優から。
「そうやなあーーー。顔は浮かぶけど、名前はすぐ出てけえへんな・・」
ーー松平健もアカンよ。テレビでバンバン出てて、有名な人はギャラが高いから。そうでない人の中。
「んーーーーー、中村錦之介!」
ーー死んだ人はダメ! 今、生きている人で!
<つづく>
今回も旅館・平の家さんに宿泊 2005/9/2 [第十章 メインロケハン篇]
今回のメインロケハンも、旅館・平の家さんに宿泊!
ここに来るときはいつも「こんにちわ!」ではなく、「ただいま!」と言う。
すると、おばちゃんが奥から笑顔で出て来る。
「お帰り〜ぃ。まあ、監督さん。お元気でしたかぁ?」
その声で、疲れも癒される。
最初に泊めてもらったのが、昨年の春。なので、もう1年半もお世話になっている。あれ以来、田辺に来たときはいつも平の家さん。
そんなおばちゃんと、いつものように話していた。
東京に帰ると、「ストロベリーフィールズ」の脇役たちを決める。
で、もし、可能なら、ずっと、応援してくれている田辺の方々が、喜んでくれる俳優さんを連れて来れたら・・と考えていた。(もちろん、役に合った上に演技力があるという前提で)
代表で、おばちゃんに聞いてみた・・。
<つづく>
女優さん失望!地方のサンセット大通り(Ⅳ)2005/9/2 [第十章 メインロケハン篇]
それも当然。都会の若い人たちが感動するのは、東京や大阪にはいくらでもあるアメリカ的な建物ではない。
例えば、懐かしい屋敷町の街並。江川の町。稲成の坂道。世界に誇れる場所だと思う。生き辛い現代の人々の心を癒す風景だ。
町の遺産とも言えるそんな建物や道。それらが、次第に壊されていく。東陽中学の木造校舎まで、すでに取り壊しが決まっている・・・。
信じられない悲しい話。壊さずとも、残して記念館等に使うべき。でも、そんな話は聞かない・・・。
失われ行く田辺の素敵な場所をアピールすることも、今回の映画「ストロベリーフィールズ」のテーマだと思えてくる・・・。
<つづく>
女優さん失望!地方のサンセット大通り(Ⅲ)2005/9/2 [第十章 メインロケハン篇]
日本には残り少ない、昭和40年代の建物や風景。全国的に、その種のものが求められブームになっている。
九州のある町はバブルの波が届かず、建物の立て替えができなかった。それにより昭和40年代のままの町がある。
そこが今、レトロブームで大人気。毎年、数十万人の観光客が訪れる。一時期は過疎化で悩んでいた町が、膨大な観光収入が入るようになった。
古都や都会だけではなく、レトロの香り溢れる懐かしい町に観光客が訪れる時代。
田辺でもそんな展開は可能。なのに観光資源ともいえる風景が、最近になって壊され始めた・・・。建物や道路を欧米化するのは、過ぎ去ったバブル時代の流行。
そこにはもう人が集まらないことは、すでに多くの町で証明済み。オランダ風の庭園がある有名な施設も、赤字で倒産した・・。
地元サンセット大通りのお店も、こう言う。
「以前より売り上げが落ちたし、若い人たちも買い物にはけえへんなあ・・」
<つづく>
女優さん失望!地方のサンセット大通り(Ⅱ) 2005/9/2 [第十章 メインロケハン篇]
なぜ、情緒ある懐かしい通りが、アメリカのサンセット大通りのようになってしまったのか? 地元の知人に聞くと、こう言われた・・・・。
「道が広いと、車で買い物に来れる。それにおしゃれなアメリカ風の街並は若者に人気ある。近隣からも若い人に来てもらえるようにしたんや!」
そう説明してくれたが、先の若い女優さんはこう言う。
「アメリカ風が好きなら、今は航空運賃も安いし、本当にアメリカに行く。アメリカに行かなくても東京には、そんなところたくさんある。
都会のそれに比べても、この通りはセンスがなく、規模も小さい。また来たいとは思わない。
それより屋敷町や江川の町は本当に素敵! 京都や奈良とは違う良さがある。
なのに、そんな懐かしい建物を壊して、ビルを建てたり、道を広げたり・・。
理解できないし、とても悲しい・・・」
全く同感だ・・・・。
<つづく>
女優さん失望!地方のサンセット大通り(Ⅰ)2005/9/2 [第十章 メインロケハン篇]
映画「ストロベリーフィールズ」の製作準備時に、応援に来てくれた女優さんを案内。屋敷町の懐かいT字路(写真上)を歩いたときのこと。
それがうっかり写真上の道を進んだので、上田家具の前からスタートする広い通りに出てしまった・・。
その風景は一変する。まるでロサンゼルスのサンセット大通りか? と思う駐車帯もある広い道路で、西洋風の街灯に歩道(写真下)。
お店のショーウインドウ! それを見た女優さんは憤慨。
「せっかく、懐かしい風景に浸っていたのに、これでぶち壊し。詐欺だわー!」
そう、僕が子供の頃。ここは車1台が通れるかどうかの狭い道で、角に鰹節屋さんがあり、隣がお菓子屋さん。
上田家具の近くには、うなぎ屋さん、パン屋さんがあって、とても情緒ある素敵な通りだった。
それがなぜ、こんな広いアメリカ的な通りになってしまったのか? ある人に聞くと、こう言われた・・・・。
<つづく>