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第24章 最終決戦!篇 ブログトップ
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タイムリミットは秋/2005年8月 [第24章 最終決戦!篇]

 何とか地元からは、理解を得た。

 が、東京側の関係者からはと弱音を吐く者も現れる。

 「もう、僕には無理です。辞めたい・・」

 ここまで5年かけて来た。命がけできた。ここで諦める訳にはいかない。

 いや、僕の思いだけではなく、今日まで応援してくれた友人、先輩、地元の方々。様々な人の支援と応援でここまで来た。絶対に潰す訳にはいかない!

 ここで中断しては、もう再開はありえない。今の勢いを止めたら全てが終わるだろう。

 タイムリミットは秋だと思える。それまでに、いくらかでも制作費を集める。

 そして1か月遅れで撮影。それしかない・・・。

<つづく>

 


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絶対に諦めない!/2005年8月 [第24章 最終決戦!篇]

 地元に連絡。5日後に予定していた全体会議を中止してもらい、今後を相談する。

 製作サイドは延期か中止を希望していると伝えると、「監督はどう考えてますか?」と聞かれた。

 「僕に、やるか?やらないか?という迷いはありません。どうやってやるか?というだけです。5年間、命がけでやって来ましたから、絶対にやります。中止なんてあり得ません!
 
  そもそも、今ある製作費の3分の2は、僕が地元で協力を求め、会社をまわったことで集まったもの。
 もう一度営業して、残り3分の1も集めればいいんです。それでも足りない分は友人から5万、10万ずつでも借ります。

 それでも足りない分はサラ金から借りて、内蔵を売ってでも集めます・・・」

 <つづく>


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最悪の展開・Ⅱ/2005年8月6日 [第24章 最終決戦!篇]

 制作会社側としては、無茶をせずに、製作中止にするか? 時間をかけて金を集めて来年再開するか?を選びたいようだ。

 でも、来年に延期と言う話を、地元は受け入れてはくれないだろう。

 支援者の方々は10年前の事件で「映画人は信用できない」という人たちを説得。もの凄い苦労をしてここまでがんばってくれた。

 すでに新聞発表もしている。それが延期になれば「それ見たことか!」と批判され、厳しい立場に立たされる。
 
 昨年、末の事件でも寛大な態度で受け止めてくれた。これまでの多大な好意と支援に応えるには、「ストロベリーフィールズ」を作り上げることしかない・・。

<つづく>


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最悪の展開 /2005年8月6日 [第24章 最終決戦!篇]

 こんなことを書くと、「冗談だろ?」と言われそうなことが起きてしまった・・・。

 今夜、制作会社側から電話。至急会いたいという。0時近くに指定された喫茶店に駆けつける。

 撮影を2週間後に控えた今になって、最後に参加した投資会社が金を出せない状況に陥ったという。つまり、製作費の3分の1がなくなるということ。

 今からだと、クランクインを延ばしても、もう同じ額は集められない。来年に延期するか? 制作中止にしたいという。

 中止なんて絶対にできない! 延期するだけでも、崩壊するだろう。別の選択が必要だ。

 でも、どうすればいい・・・・何か別の方法・・・どうすればいい・・・。

<つづく>


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撮影まであと数週間!/2005年8月 [第24章 最終決戦!篇]

 「ストロベリーフィールズ」シナリオの改訂稿は、まだ不完全。が、撮影も間近なので、印刷にまわす。

 本格的なスタートをするためにも、それを関係者に配り、キャスティングを続ける。正式な出演依頼をするには、コピーされた原稿ではなく、やはり印刷されたものがいる。

 こうして、この5年で初めて、僕の手製でないシナリオが印刷された。

 内容的に問題はあるが、印刷所で作られたものは、まさにシナリオ。僕個人がプリントアウトして製本したものとは違う。

 5年かかったが、ようやくここまで来た・・・・という思いがある。

 もちろん、撮影決定稿をもう一度印刷するので、それまでに問題点をクリアーせねばならない。

 が、撮影は今月中旬から。数日後には田辺へ行き、地元支援者の方々と大きな会議がある。

 いよいよ、大詰めだ! 

<つづく>



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新スタッフ登場 /2005年7月29日 [第24章 最終決戦!篇]

 先日からラインプロデュサーが1人。新たにチームに参加した。

 ラインPというのは、主に撮影現場を仕切るのがメインの仕事。ロケ場所交渉、宿の手配食事の準備、移動手段の確保、車両の準備等、撮影をする上で必要な環境作りをし、製作費を管理、現場をまとめる責任者となる。

 最初、強面で難しい人かと思ったが、僕が監督した過去の作品を見て、非常に深く方向性やスタイルを理解してくれた。かなり鋭い方!

 春美は「帰って来たウルトラマン」の岸田森、「レインボーマン」のヤマトタケシの妹がダブるなあ・・とか、僕も考えていなかったことを言う。

 でも、当たりだろう。特撮ドラマが大好きだった子供の頃に見た作品。どこかで影響がある。そんなことまで見抜くなんて! 凄い。出来る人と仕事ができるのは、嬉しい。

<つづく>


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出演希望、続々の理由/2005年7月 [第24章 最終決戦!篇]

 「ストロベリーフィールズ」のキャスティングが始まると、さまざまなタレント事務所から連絡。

 「ウチの****をぜひ、夏美役に!」「****にマキをやらせてみたい!」と、もの凄いアプローチがあった。
 
 企画営業時とは正反対。何が理由か? 製作費の決定権を持つのは、40代以上の男性であることがある。

 その層は「ファンタジー」というジャンルが苦手、というか若い頃にあまり接することがないので理解しにくい。

 「刑事もの」や「金融もの」とか男の子が好きなジャンルが、守備範囲になりがち。幽霊というと、ホラーだと思い込んでしまう。
 
 それに対してタレント事務所の場合は、シナリオをマネージャーが読む。女性が多いし、若い人が多い。

 特に少女漫画にはファンタジーものが多いので、それを読んできた女性は男性より理解度がある。
 
 感動的な作品なことも理解してくれた。自社の俳優を出せば知名度が上がり、ブレイクするきっかけになると考える。

 それでイマ旬の10代女優を抱える数多くの事務所が、出演を希望してきたのだと思える。

 何にして嬉しい話。慎重に主演女優選びを続ける・・・。

<つづく>


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主演女優・希望者続々!/2005年7月 [第24章 最終決戦!篇]

 「ストロベリーフィールズ」の製作費を集めるために、スポンサーを探したとき。本当に物語を理解されず、拒否され続けた。

 それが今、主演女優を決める段になった。有名女優の所属事務所に打診すると、驚くほど好意的。

 例外なく「いい話です。感動的です。うちの子を出してほしい!」と言われる。どこも「ぜひ! うちのA子で!」「我が社のB子で!」という話になる。

 もし、先方が新人女優を売り込みたいのなら分かる。作品はともかく、出演することが女優として大切だからだ。

 でも、アプローチしたのは、かなり名前が知れた若手女優たち。映画やテレビ、CMでも活躍している。名前を上げれば、えーーーーあの子が!というだろう。

 そんな子たちの所属事務所が皆、手を上げてくれる。これまでのスポンサー探しとは、売って変わった対応に戸惑う。

 ある有名若手女優の事務所はスケジュールは一杯だが、何とか「ストロベリー」に出したい。調整するから待ってほしい、と言って来ている。

 そんな背景を考えてみた・・・。

<つづく>


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芸能プロと癒着するプロデュサー・Ⅱ/2005年7月 [第24章 最終決戦!篇]

 なるほど、そういうことか・・・。

 友人のいうことはよく分かった。役に合わない俳優を入れるのは、本当に作品レベルを落とす。許されないことだ・・・。

 結局、僕は、そのプロデュサーの上げる候補俳優を全て却下。もちろん本当に正解な俳優がいれば、受け入れた。が、1人もいなかった。

  何でもいいからネジ込もう!という意図が見え見え。作品に対する「理解」とか「愛」は、まるで感じられない。全てを拒否。

 すると、そのプロデュサーは逆恨み。その後、僕の意見には全て反対するようになる。何かにつけ邪魔をし、隠れて工作さえするようになった。

 その後、彼とは仕事をしてない。今後もないだろう。彼の方は、自分の指示をよく聞く監督のみと仕事をしているようだ・・。が、ヒット作は当然ながら1本も作れていない。
 
 今回はそんなPはいないと思う。が、スタッフとはいえ、作品を良くしようとする者ばかりでない。私利私欲で動き、結果として作品レベルを下げることをする奴も多い。

 悲しい話。が、素晴らしい映画を作るためには、その種のスタッフとは戦わねばならない・・。

<つづく>


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芸能プロと癒着するプロデュサー/2005年7月 [第24章 最終決戦!篇]

 答えは、業界の友人が教えてくれた。

 「芸能事務所の競争は激しく、1人でも多くの自社タレントを映画に出したがっている。低予算作品でも、俳優には勉強になるし、そこからブレイクすることだってある。

 でも、オーディションは厳しく、なかなか合格することができない。そこでプロデュサーを抱き込み、監督に推薦させる。監督もPから言われると、従うことが多いだろ?

 そうやって自社俳優が役に決まると、事務所側はPに謝礼を払う。1人入れたら、*万円。或いは、別の仕事で有名俳優をキャスティングするときに、便宜を図るとかね? 

 そいつも、癒着Pの1人だろう。事務所にいい顔したいだけで、作品のことなんて考えない。明らかにズレているキャスティングをしても平気。

 それを知るとスタッフもやる気をなくす。当然、真剣に仕事をせず、映画のクオリティは下がる。作品はダメになり、ヒットしない。でも、そんなPは多くなって来てるよ・・・」

<つづく>


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