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第三章 春美を探せ!編 ブログトップ
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出演はOK?それとも?(2005/8) [第三章 春美を探せ!編]

 ここまでの話は、以前にも書いた。

 事務所的にはOKという連絡を頂く、あとは三船美佳さんご本人の返事を待つだけである。

 果たして僕のような無名で新人の監督の作品に、超売れっ子でブレイク中の彼女が出演してくれるのだろうか?

 数日後、社長さんから電話。

 「太田さんの気持ち、よく分かりました。それに感動的な作品です。ぜひ、やらせて下さい。本人もやりたいと言っています」

 ありがとうございます! 感激・・・・。

 シナリオが気に入ったから、熱意を感じたからと、出演を快諾してくれたのである。

 こうして何年も思い続けた春美役は、あの三船美佳さんが演じてくれることになった!

<つづく>


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出演依頼! 2005/8 [第三章 春美を探せ!編]

 「ストロベリーフィールズ」は企業のみならず、地元支援者の方々も出資してくれて汗と涙で作る作品。だが、映画界から見ればやはり小品。

 「踊る!大捜査線 THE MOVIE」などのように、大手テレビ局が製作する何十億もかけた豪華な大作とは違う。

 俳優さんたちにも、いろいろと無理を頼むこともあるだろう。不安が募る…。

 そこで通常は制作会社から出演依頼をするところを、僕個人からまずお願いをしてみようと思った。

 彼女が所属する事務所の社長さんとは、何度かお目にかかっている。まず、手紙を送った。

 故郷・田辺で映画が 作りたくて5年間、走り回ったこと。美しい街で、懐かしい風景があること。
 
 どうして田辺で映画を撮りたいということ。そして「ストロベリーフィールズ」 のシナリオ、町を撮影したビデオ、風景写真等を同封した。

 「やる気」と「思い」を伝えたかった・・。

 春美の第2候補は、立てていない。三船さん以外に演じられる人はいない。

<つづく>


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やはり三船さんだ!2005/8 [第三章 春美を探せ!編]

 無事に「ストロベリーフィールズ」製作続行が決まってからも、春美役には多くの 希望者が殺到した。しかし、あの役は本当に難しい。

 「挑戦したい!」と言ってくれるのは嬉しいが、確実に春美を演じ切ってもらえなければドラマ自体が崩壊する。それを可能にするのは、ただ一人だけと思えていた。

 キャスティング開始。ついに三船美佳さんにアプローチする。が、彼女は売れっ子俳優でスケジュールはタイト。

 おまけに、女優業のみならず、バラエティ番組でも活躍。お笑いの帝王・明石家さんまにさえ切り返して、笑いを取るくらいの才女。
 ドラマ、映画、舞台、トーク番組と万能。常に依頼が殺到している。

 が、僕は名もない新人監督。「あの有名監督の作品なら、何があっても出たい!」ということもあるが、今回は当てはまらない・・・。

<つづく>


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役者魂に火がつく役 2005/8 [第三章 春美を探せ!編]

 そんな三船美佳さんに、春美を演じてもらいたいと思いついたのは 2年前。2003年の初夏だった。

 が、その後。「ストロベリーフィールズ」への出資を考えたいた企業が、突然に投げ出す。
 製作費が集まってはなくなり 、何度も中止の危機に見舞われた。出演依頼以前に、映画製作がなかなか進まなかった。

 ただ、深刻な自体とは別に、興味深い反応もあった。シナリオを読んでくれた知り合いの 女優さん、あるいは芸能事務所の方々から、アプローチが相次ぐようになったのである。

「ぜひ、春美役をやらせてほしい!」  

 が、この役、誰もが羨むようなトレンディドラマの恋するヒロインで はなく、むしろ汚れ役と言ってもいい影のあるキャラクター。なのに大人気!

 聞いてみると、ただ可愛いだけの役ではなく、深みがあり、複雑な心情を抱 える難しい役なので、ぜひぜひ、挑戦したいということらしい。

 役者魂に火がつくような役、だというのだ・・・。

<つづく>


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三船美佳しかいない! 2005/8 [第三章 春美を探せ!編]

 三船美佳さんは、演技派というより超能力者!

 そう思えてしまうほどの理解力。そして表現力。これを天才と言わずに何と言おうか? 

 バラエティ番組でボケて、笑いを取っていることもあるが、演技しているときは全然違う。あれは全て演技ではないか?と思えるほど、理屈や計算を越えた表現をする。

 その御陰で撮影はガンガン進み、残るシーンは陽が暮れてからしか撮れないものだけ。なのにまだ、陽は高く外は明るい。仕方ないので食事休憩が3時間。 驚きの連続で撮影は終了。

 後日「ストロベリーフィールズ」のシナリオを直していて閃いた!

 「そうだ…現代の日本人では無理かと思えた春美役も、あの天才女優・三船美佳なら演じ切れるのではないだろうか、いや、彼女以外にないのではないか・・」

<つづく>


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天才女優・三船美佳Ⅲ 2005/8 [第三章 春美を探せ!編]

 ただ、撮影を進めるうちに、ある演技がほんのわずかだが、数%ほどニアンスが違うものがあった。彼女の演技でも十分OKなのだが、こだわりたい部分。

 でも、微妙な感覚的表現なので説明するには、かなりの時間が必要。撮影というのは1分1秒を惜しんで進めねばならない。

 余程でない限り、俳優とディスカッションする余裕はない。で、なるべく短めに話そうと説明を始めると、三船さんはすぐに頷く。

 「分かりました」

 マジ?と思えたが本番に行く。と、僕が意図した方向に演技を修正した上に、前回以上の表現を見せてくれたのである!

 <つづく>


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天才女優・三船美佳Ⅱ /2005/8 [第三章 春美を探せ!編]

 4本分のドラマに出演する俳優、全ての衣装合わせをせねばならない。1人当たりは、30分程度になる・・。十分な話合いもできなかった。

 次に彼女に会ったのはもう撮影当日。が、驚きの展開が待っていた。通常、カメラを回す前にリハ-サルを行う。

 その演技を見て監督が「もう少し優しさを出して」とか「もっと押さえて!」とか指示を出す。

 それを何度か繰り返して本番に入る。僕の演出は特にうるさく、細かな表現を要求する。なのに、三船さんは一度目のリハから、ほぼ完璧な演技を見せた。

 期待したニアンスや微妙な感覚も、全てクリアーされている。打ち合わせは、先の衣装合わせでの一度だけ。

 その30分で僕が作品で描こうとしたものを、ほとんど理解したということなのか? こんなことは初めてだ…。

<つづく>


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天才女優・三船美佳 /2005/8 [第三章 春美を探せ!編]

 コミニュケーションというのは、本当に難しい。

 俳優にキャラの背景説明をしていても、さまざまな解釈ができるので、監督が意図するものとは違ったものになることがある。

 まして演技指導で「顔を上げながら、目を細めて…」とか動き方を説明しても、「感覚」や「心の動き」は伝わらない。

 読者にも、こんな経験はないだろうか? 息の合った長年の友人と旅行にしたとき、思ったほど意思疎通ができてなくて揉めたり・・・。

 十数年も暮して来た夫婦なのに、「そんなことも分かってなかったの?」と思ったことはないだろうか?
 親しい人にでも、思いや気持ちを人に伝えるのは本当に難しいもの。

 映画では気持ちを理解してもらうだけではなく、感情や感覚を相手に表現してもらうのだからさらに大変。
 人によって理解の仕方が違うし、簡単に真意は理解してもらえない。

 おまけに昨今は人件費が上がり、製作費が高騰。時間に追われた撮影がほとんど。意思疎通のための時間を、十分に取ってくれる作品は稀。

 先のホラードラマも主演の三船美佳さんと話せたのは、衣装合わせのとき30分だけだった・・・。

<つづく>


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春美を探せ!Ⅱ 2005/8 [第三章 春美を探せ!編]

 その昔の日本映画でいえば、「赤ひげ」で狂女を演じた香川京子さんとかにやってほしい役。だが、現代の女優さんで、それも20代で出来る人はいないと思えた。

 それをもし、演技力の無い綺麗なだけの女優さんが演じると、作品が根本的に崩れてしまう重要な役。候補者すら上げることができなかった。

 そんなときに監督したホラードラマがある。その主演に1人の女優の名前が上がる。それが三船美佳さん。 誰もがご存知、あの「世界のミフネ」のお嬢さんである。

 えーー!そんな凄い人が僕なんかの作品に出てくれるの!!!!!

 と思えたが、本当に出てくれた。そして、その撮影現場で天才女優・三船美佳の凄さを知ることになる。

<つづく>


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春美を探せ! /2005/8 [第三章 春美を探せ!編]

 主人公・夏美の姉・春美。この役もまた、かなり難しい。


 高校時代は優等生で成績も優秀。 スポーツでも評価されていた。が、東京の大学時代に交通事故に遭い、歩けなくなる。実家に帰った今は松葉杖で生活。

 夢も未来もなくした彼女は元気な妹・夏美を妬み憎むことで生きて行くようになる。でも、実は…というかなり複雑でナイーブ。兼ミステリアスな役柄。

 最もキャスティングが苦労しそうな役である。いや、苦労というより、演じられる人が日本にいるだろうか?というレベルだ。

 実は数年前にシナリオの改稿をしているときから、春美役のキャスティングを考えていたが、なかなか思いつかなかった・・・。

<つづく>


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