製作部の運転で東京へ戻る(2005/08/24) [第二章 製作発表・篇]
2日間の田辺ロケハンを終えて、帰京。
深夜の東名高速を車で走る。3人以上で田辺に行くときは、新幹線や深夜バスより車が経済的。
製作のGOサインが出るまで、田辺に行くときは、5年前から「参加します!」と言ってくれていたカメラマンのSさんの車で、何度も東名高速を走った。
真夜中も不眠で運転してくれる彼に申し訳なく、せめて助手席にいる僕は寝ないで起きているとことしかできなかった。
それが今は優秀な製作部スタッフが運転してくれて、東京〜田辺を車で往復!
ただ、今までの経緯があって「寝てはいけない!」という強迫観念があった。ら、製作部さんが「監督はいいから、寝てください」と言ってくれる(涙)
スタート前までは、移動の準備も、休憩地の確認も、飯の手配も、宿泊も、全て僕がやっていたが、今は製作部さんがやってくれる。本当に感謝。
余力が出た分を少しでも、映画をよくすることに使わねば・・・。帰京したらキャスティングに戻る!
<つづく>
クライマックスシーンのロケ場所発見/2005/8/23 [第二章 製作発表・篇]
ついに見つける。写真は高い山から見た田辺市内。町が一望。まるで天空の城ラピュタから地上を見下ろすようである。山のほぼ頂上にあたる場所だが、そこだけ突き出ているので空に浮かぶ小さな島のようである。
ここをクライマックスの撮影場所に決めた。マキに迫る死神をこの場所で夏美は引き止めようとする。そしてこの場所にマキのお母さんの家もある。下の写真。
ロゴハウスなのが少々イメージが違うのだが、ここを少し改造してマキの母が住む山小屋に見立てる。
クライマックスに相応しい素晴らしい場所だ。ここも地元情報。昨日から何カ所も探したが、ここに勝るところはない。
田辺の町を眼下に最後の戦いシーン。これはいい!
<つづく>
見栄えするロケ地(2005/8/23) [第二章 製作発表・篇]
また、ロケ地は見栄えがすることも大切な条件。リアリズムを追求する方法もあるが、やはり見ていて美しい場所であればドラマも盛り上げる。
ただ、美しい場所ばかりで撮影すると、それが当たり前であり、感動がなくなるということもある。
平凡な場所を見せておいて、ここぞというところで美しいロケ地を持って来て、観客をハッとさせるという手もある。
俳優、スタッフを選ぶのと同じで、ロケ地を選ぶのも監督のセンスと力量。そこから演出は始まっている。
この風景の中で、あの俳優が演じ、あのカメラマンが撮れば、こうなるだろう・・・という計算のもとにそれぞれを選ぶ。
ロケハンというのも、美しい場所、相応しい場所という以外にも、そんな観点で選ばなければならない・・・。
<つづく>
登場人物の住む家 (2005/8/23) [第二章 製作発表・篇]
ロケ場所は単に物語の背景というだけではない。登場人物のキャラクターを伝えるという働きもある。
こんな家に住んでいるのなら、こういう子だろうとか、こんな場所で遊んでいるのは淋しいからだろうなとか、演技やセリフ以外でキャラや心理を表現できる。
単純に言うと大きな家だから、金持ち。小さな家だから貧乏ということはあるが、家にもそれぞれ個性がある。
大きいな家だけど、何か冷たそうな感じがする建物。単なる空き地だけど、何か懐かしさがあるとか。そんな個性をうまく使うと、ドラマがさらに深くなる。
「ストロベリーフィールズ」では、そんな観点から4人の主人公が住む場所をそれぞれに違えてみた。
夏美は高台の大きな家。
(素敵な建物だが、日頃は誰も住んでいない。そのせいか何か淋しげな感じになっているところが夏美の心情を表現できそうだ)
マキは山の中の小さな古い家。
(今回、やっと見つける。家の歴史が漂って来る。台風が来れば壊れそうな建物だが、暖かい感じがとてもいい!)
理沙はモダンな家。
(気品があり、美しく、気高い感じがする建物。理沙を象徴している)
美香は町中だが中流階級の小さな家。
(現在、探し中で写真なし・・)
それによって、4人の背景や環境。家族のあり方も伝えられる。
<つづく>
ロケハンで大切なこと(2005/8/23) [第二章 製作発表・篇]
「ロケハン」はロケーション・ハンティングという和製映画の略で、撮影する場所を探すことをいう。
シナリオを読み、それに相応しい場所を探す。が、シナリオには単に「町」とか「大きな家」としか書かれてないことが多い。
それをどんな町がいいのか? どんな家がいいのか?を考えて選ばねばならない。
というのも、その撮影場次第で、ドラマが盛り上がったり、下がったりするからである。
分かり易い例でいうと、「007シリーズ」はクライマックスに敵の巨大な要塞が出て来ることが多い。そして最後は大爆発。ジェームズ・ボンドは命からがら脱出というのが定番。
これはロケ地的にも王道を踏んでいる。最後に巨大な建物、広い場所が出てくるというのはドラマが盛り上がるからだ。
2時間ドラマのクライマックスは必ず断崖絶壁の上で、謎解きをするのも同じ発想。家の中でも推理は語れるが、崖の上だから映像的に盛り上がる。
途中でそんな場所が出て来ると、あとが盛り下がる。ただ、別の方法で最後を盛り上げるのであれば、途中で広い場所を見せることで、展開が変わることを示唆したり、観客をドキッとさせたり、ホッとさせたりに使う方法もある。
ロケ場所というのは、単に物語に相応しいということだけで選ぶのではなく、ドラマ展開の演出にも関わっている・・・。
<つづく>
田辺のナンバー1プレイス・東陽中学校(2005/8/23) [第二章 製作発表・篇]
もちろん、あの木造校舎の東陽中学にも行った。
スタッフも感嘆の声を上げる。
皆、その美しさと荘厳な雰囲気に感動。
具体的にどの場所で撮影するか?等を相談しながらまわる。
<つづく>
マキのお母さんの家探し(2005/8/23) [第二章 製作発表・篇]
先日、谷村美月がマキ役に決まったが、そのマキのお母さんの住む家がなかなか見つからない。
イメージとしては、海の側にある小さな家。洋風でも和風でも構わない。その前には砂浜か広い庭がほしい。そして、その全てが絵にならないとダメ。
最後のクライマックスの舞台ともなる場所。マキをあの世に連れに来た死神と夏美との対決があり、そのマキと母との感動の再会のシーンでもある。
写真の家は海に近いが絵にならず。イメージとしては「おもいでの夏」でジェニファー・オニールが住んでいる家の感じ。
本日も3〜4カ所回ったが、全てダメだった・・。
<つづく>
主人公・夏美の家。発見! (2005/8/23) [第二章 製作発表・篇]
地元情報で、主人公・夏美の家を見つける。昔ながらの日本家屋。
長い長い縁側があって、「日本の夏。金鳥の夏」というナレーションが聞こえて来そうな素敵な情緒溢れる建物だ・・。
高山寺さん所有の建物。稲荷町にある。高台にあり、外からは発見不可能。ここは教えてもらわないと分からない。
下の写真は内部。大中小と、いろんな部屋があり、他のシーンにも対応できそう。日本の美が感じられる家。
ここで決まり!
<つづく>
旅館・平の家さんの部屋で (2005/8/22) [第二章 製作発表・篇]
初公開。平の家さんの室内。写真はいつも僕が泊めてもらう部屋。和風で広くて、10畳以上ある。旅館というより、武家屋敷のような感じ。
いつもスタッフはこの部屋に集まり、その日ロケハン撮影したビデオをテレビに映して確認。
そのときは、いつも女将を呼んで一緒に見る。
「まあ、キレイに撮れてるわあ。田辺と違うみたいやよぉ!」
とおばちゃんはいつも言う。おばちゃんはいつもスタッフの人気者。
明日は残ったロケ地を探す。
<つづく>
旅館・平の家泊まり! (2005/8/22) [第二章 製作発表・篇]
この夜は、田辺泊まり。
いつもの旅館・平の家さんに宿泊。
とうとう地元で製作発表までできたことを、女将のおばちゃんにも報告。
「まあ、ほんまに、監督さん。よーがんばったなあ〜!」
と言ってもらう。1年以上も前から何度も泊めてもらい、応援頂いていたおばちゃんにも喜んでもらえて嬉しい・・・。
明日は、メインスタッフにロケ地を紹介しながら、まだ見つけていないロケ場所を探す!
<つづく>