製作続行が決定!/2005年3月末日 [第22章 絶望の連続篇]
4月までに、製作費の3分の2が集まった・・。
何度も製作費を計算し直した。
最悪その額でも、何とか映画製作ができることが分かる。(宣伝費とかキネコ代はなし、かなり厳しいが・・)
何とか、このまま続行しようという話になった・・・。
引き続き、投資先を探して行くが、この夏の撮影が決定する!
ヤッホーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
<つづく>
製作費3分の2集まる! /2005年3月15日 [第22章 絶望の連続篇]
僕以外の経由で、製作費を投資してくれる会社が見つかる! 全額の3分の1を出すという。
これで地元の3分の1と合わせて、3分の2が集まったことになる!!
よっしゃーーーーー! 諦めなければ、何とかなるものだ! 残り3分の1を何とか集めるぞ!
映画「ストロベリーフィールズ」製作開始まであと、1歩じゃあーーー!
<つづく>
茶封筒の1万円札/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
帰り際に、友人から茶封筒を渡される。中には、1万円札が何枚も入っていた・・・。しばらく、生活額だ・・。
「出世払いでいいよ!」
そう言われた。本当に苦しいときなので涙が溢れそうになる。 僕なんかのために・・・・本当に辛いときなので、一段と心に染みるた・・。
そんな親友の思いに応えるには、映画を完成させるしかない。絶対に「ストロベリー」を投げてはいけない。いい加減なものを作ってはいけない・・・。
本当に僕が作りたかった「ストロベリーフィールズ」という映画を必ず作る!必ず・・・必ず・・・作る・・・。
<つづく>
「励みになる」/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
友人は続ける。
「けど、お前は諦めようとしない。生活できなくなっても、やろうとしている。そんな姿見ていていると・・・忘れていたものを思い出す・・。
昔は俺も持っていたはずのもの。負けないように、明日からは頑張ろうと思う。
ただ、一晩寝て翌朝起きるとまた、疲れを引きずったいつもの会社員に戻っていて、前の日の熱さを思い出せなかったりするんだけどな・・・それでも励まされるよ・・・」
いや、励まされているのは、僕の方がだった・・・。
<つづく>
忘れてしまった十代の思い/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
友人の話は続く。
「そんなとき、お前と会って映画を作るという話を聞く。何があってもやる! 絶対に作る!と言う。そんなお前を見ていて、何か忘れていたもの思い出した・・。胸を焦がすような熱い思い・・昔は、俺にもあったよなあ・・と感じたんだ。
もちろん、故郷で映画を撮るのは素人の俺が考えても、大変なことだと分かる。映画作りは何千万円もかかるんだし。
業界の友人が無理だ!不可能だ!と言うのは当然だと思う」
そう。仕事仲間からは非難の嵐だった・・・・。
「絶対に無理!」
「巨匠だってなかなか映画が撮れない時代」
「お前のように無名で、ヒット作のない奴に金を出すなんて奴がいる訳がない」
何人からもそう言われていた。 信頼している先輩も同じことを言う。これはキツかった。
当初は応援してくれていたのに、「もう無理だ。D社が投げた段階で、終わったんだよ・・」と宣言された。
生活は限界を超え、先が見えなかった。でも、友人は言う・・・。
<つづく>
破れた夢/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
深夜まで会社で働く彼を待って、夜中の六本木で会った。
「どうせ、食えないでいるんだろう?」と、居酒屋で御馳走してくれた。そこで僕がひたすら食べていると、彼はこんな話をした。
「学生時代。俺のまわりにいる友達は皆、夢を持っていたよ。写真家になりたい。俳優になりたい。小説家になりたい。ギターリストになりたい。
結局、みな夢破れて行った。結局、誰も夢を実現できなかった・・。それでも、俺から見ると羨ましかった・・。
追う夢があるだけで凄いと思ってた。俺は特になりたいものはなかったから、平凡な会社員になった。
でも、サラリーマンも楽じゃない。嫌なことがいっぱいある。そんな日常を送っていると、何かをなくしていくような気がするんだ。
夢なんてなかったけど 、若いころは何か熱い思いがあった。何かできるはずだという気持ちがあった・・。
けど、毎日、同じ仕事を繰り返していると、そんな熱さをどんどん忘れて行く。大切なものをなくして行く気がする・・」
<つづく>
友人の言葉/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
そんなとき、サラリーマンをする友人と会う。生活が行き詰まった話はしなかった。でも、何も言わず飯を奢ってくれた。彼はこう言う。
「最近の日本映画は本当につまらない。新しいパワーを感じない。そんな作品をぶっちぎる面白い映画を作ってほしい。
僕も映画は好きだから、お前のシナリオを読んで感動した。きっといい映画になる。がんばってほしい!」
そんな言葉に励まされた・・・。
だが、生活は相変わらず苦しい。ある日、高校時代からの親友が突然電話をかけて来た。彼はこう言う…。(つづく)
花見のお菓子で生活/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
このところ、食費すらままならない・・。
先日。友人主催の花見に手ぶらで出掛け、残った料理やお菓子を大量にもらってきた。しばらくは、それを食べて暮す。
酒もあるし、お菓子は保存が効く。ただ、何だか浮浪者のような気持ち・・。
「ストロベリーフィールズ」の投資をお願いに、会社まわりを続けている。最近は営業マンそのもの。が、なかなか芳しい返事がもらえない。
それと、いくら会社を訪ねても給料も出ない。交通費。資料製作代と、出費ばかりで、収入はゼロ。でも、今、生活のために働く時間はない。
先日上げたリストの会社も、次々に断られている。或いははっきりと返事をしてくれない。何か月もかかりそうで、待っていられなかったり・・。
春までに製作費を集めないと、全てが終わってしまう・・・。
<つづく>
幽霊ファンタジーⅡ /2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
4年前と違い日本でも、幽霊ファンタジーがヒット。ようやく、僕の書く作品も理解されるだろう。だが、映画の関係者にシナリオを見せると、こう言われる。
「2番煎じなんだよなあ〜。もっと、オリジナリティがないと!」
「真似したってダメだよね?」
同じパターンがないと理解できないくせに、似たものが出て来ると真似だという。
こちとら、4年前にすでにシナリオが出来てんだ!
その上、「ストロベリー」は1983年に作った学生映画「バイバイ・ミルキーウェイ」がベース。今から22年前に作った作品だぁ。
そうは思うが・・・メジャーで作ったもの勝ち。理解されなくて映画化されない間に、時代が追いついてきたのだ・・。
ただ、ようやく日本でもその手のファンタジーが認知されて来たのに、映画関係者は「二番煎じ」としか言わない。
結局、映画会社のお偉い方々は、同じような作品が他にないと理解できない。それでいて同じタイプの映画があると、似ているからダメと思う。どちらにしても、何もしないのである。
斬新さとか、オリジナルティとかいうが、そんなことは詭弁であり、要は「ベストセラー原作」とか「有名タレントが主演」ということでしか、映画化を決められないのだ・・。
映画関係者の話を聞くたびに、ため息が出る・・。
<つづく>
幽霊ファンタジー /2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
ここ数年の日本映画を見ていて、小さな期待と不安を抱いている。
4年前にシナリオを書き、営業を始めたとき。「ストロベリ−フィールズ」はなかなか理解してもらえなかった。
幽霊が出てくる感動ファンタジーというのが、日本映画にはほとんどなかったからだ。
アメリカでは「天国から来たチャンピオン」「ゴースト」と昔から、その手のジャンルがあり認知されている。
日本でも公開されているのに、映画会社の人たちは、幽霊というだけで「これってホラーだよね? なのに、怖くないんじゃない・・」と言う。
シナリオを読んでも、「詰まらない」というより「よく分からない」と言われることが多かった。
想像力が貧しいだけなのだが、幽霊や死神が出て来る感動物語というのがイメージできない。
それがここ数年、日本でもその手の作品が作られ始めたのだ。「黄泉がえり」「いま、会いにいきます」「星に願いを」等。みんなヒットして、好評だった。
そうなると、映画関係者も「ストロベリー」を理解するようになるかと思った。幽霊ファンタージーは、ヒットする可能性があると考えるかも?
だが、今度もまた呆れた評価が待っていた・・・。
<つづく>