営業先リストⅡ/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
I社
芸能プロダクション。研修生等を映画に出演させれば、投資を考えるという話を聞いている。大きなプロダクションなので、宣伝等でも強い後押しが期待できる。
ただ、問題は所属タレントの中で、今回の主人公たちにピッタリの俳優がいるか?というところ。
可愛いだけのタレントを使った場合。お金は出たけど、演技力がなく、結果的に映画をダメにしてしまっては無意味。
でも、あの会社なら、そこそこ実力のある新人がいると思われ、早々にアポを取ってもらう。
J社
昨年、球界参入で話題となったライブドアから出資受けて、映画を作る事業を進めている。
作品は完成後、インタネーット通信で流され、その後、DVD化。劇場公開作も手がけている。
以上の会社を順に訪問。投資をお願いする・・・。
<つづく>
営業先リスト/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
今年に入ってからも業界の友人、知人から情報収拾を続けている。現段階で「ストロベリーフィールズ」に、投資してくれそうな会社をリストアップした。順に、訪問する予定。
G社
映画製作をしている。大手芸能プロとも提携している会社。社長は以前から応援してくれている。
先日も相談に行くと「もう一度、シナリオを読んでみて、ウチの会社のメリットがあるなら投資とかも考えますよ!」と言ってくれた。
ただ、お金の流れがしっかりしていることを証明できることが条件。
H社
来春に売り出し予定の音楽ユニットがあるので、彼らを映画に出演させる。或いは主題歌も歌えるなら、タイアップして、宣伝等の協力ができるとのこと。
<つづく>
F社もアウト/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
先日、質問をしてきたF社。「ストロベリー」への投資を考えてくれているというところ。近々に担当者に会うことになっていた。
だが、倒産が近いとの噂もあり、不安が募る。次々に社員が辞めているらしい。そんなとき、間を取り持ってくれた事務所から電話。
結局、話に乗っていた担当者も辞職したとのこと。これでまた大きな可能性が潰れた。
地元は資金集めに動ける状態になっているのに、東京側がボロボロ。2つの大きな事件で、製作費が全く集まっていない・・。このままでは、本当に終わってしまう。
期限は春。それまでに製作費が集まらないと、本当に終わりとなる・・。
<つづく>
焼酎は睡眠薬/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
子泣きジジイを3人くらい背負っているような倦怠感と疲労感。パソコンに向かう気力もなく、ビデオを部屋で見る集中力もないことが続く。
20代の頃には考えられなかったが、1時間番組を集中して見ることができない。
途中で疲れてしまう。子供の頃なら、ほんとに何時間でもテレビを見てられたのに、最近では30分番組でも休憩しないとヘトヘトになる・・。
2時間もある映画なんて、少しずつ何日もかけて見るしかない。
パソコンに向かうのは根性、根性、ど根性!でデスクに着き、メールを書く。
それがいざ、寝ようとすると寝られない。もう疲れて果てていて、何かをする気力はないのに眠れない・・・。
だから、眠れるまで焼酎を飲み続ける。ほとんど睡眠薬。このままでは体も心も、壊れてしまう・・。
<つづく>
体力の限界/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
編集や執筆。パソコンに1日16時間くらい向かう状態が、何ヶ月も続いている。
肩や首がコリを超えて、限界状態。腰は激痛が走り、日常生活ができない。
もう、駄目だ・・・指圧に行く。「お客さん! どうすれば、こんなになるんですか? 何かの呪いですかね!?」とまで言われる。
でも、費用がかさむので「もう、痛みで仕事ができない!」というときまでは行けない。
鏡を見ると、顔が老人のようだ。それが疲れているのか? 歳をとってそうなったのか? よく分からない。
ストレスとプレッシャーのつるべ打ち。製作費は集まらず、業界の知人には「もう無理! 諦めた方がいいよ」と断言されている。
以前は、応援してくれていた知人からも見放された。
「もう、面倒見切れない・・勝手にしろ・・」
経済的にも、立ち行かなくなって来る・・・。
<つづく>
疲労、疲労、疲労/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
そんな生活をしていても、激やせすることがないのは驚き・・・。
LA時代にも実感したことだが、アメリカでは貧しい人ほど太っているのは、「ファーストフードが、いかにカロリーが高いか? 」を証明しているのだと思える。
疲れがピークになっても、やることは山ほどある。
映画「ストロベリーフィールズ」に投資してくれる会社探し、資料作り、営業、企画書直し、シナリオ直し、シナリオ印刷、製本、発送・・・。
応援してくれている人への報告メール、参考ビデオの編集、ダビングと、ギャラの出ない仕事が山ほどある。
役者やスタッフに会うとき、営業のときには、どんなに疲れていても元気に振る舞う。疲れを見せてはいけない。
が、部屋に帰ると緊張が切れて、疲労感に押しつぶされ、何もできないことが多い・・・。
<つづく>
疲労レベル/2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
20代の頃までは疲労レベルが1、2、3、と上がって行っても、夜寝ると、また翌日は0。疲労レベルは最初からスタート。1、2、3と上がって行った・・・。
ところが、この数年。映画「ストロベリーフィールズ」の営業が中心だが、1、2、3と進んだ疲労度が、寝ても翌日は続きで4、5、6、と進む。
1週間も経つと疲労がどんどん溜まって、67、68、69と止めどもなく上がって行く。
多少、真剣に寝ることができても、疲労度はレベル50くらいまでしか下がらず、常に疲労感や倦怠感を抱えたまま・・・。
おまけに経済難で栄養あるものも食べられない。もらったお菓子を食べたり、「スーパーサイズミー」なハンバーガーばかりで過ごしている・・・。
<つづく>
毎日見る悪夢 /2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
(次回から「第1部完結編」スタート!)
この数年、眠りが浅く、なかなか熟睡できない。寝ている間中、まわりの音が聞こえる。いつも、朝方に寝る。あとはこうだ・・。
「アパートの前に新聞配達の自転車が止まったから午前5時か・・・隣の住人が出て行くドアの音。午前9時か・・・ゴミを集めに来たから10時・・」
ずっと、まわりの音が聞こえる。眠りが浅い。
たまに夢をみると、悪夢の連続。黒澤が見る夢は総天然色の芸術的なものだけど、僕のは残酷ホラーの4本立て! 気持ち悪いものばかり。
なかなか製作費が集まらない不安、撮影時期まで決まりながら全部崩れ落ちたショック、信頼していたプロデュサーに裏切られたり。
そんなことが夢に現れているのだろうか・・・。<つづく>
倒産の噂 /2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
投資を考えているというF社。ここが参加してくれればと期待している。が、そんなとき、良からぬ噂を聞いた・・。
90年代は数多くの映画やVシネマを製作していた会社だが、この数年で本数が激減。今ではほとんど一桁。それもほとんどヒット作がない。
社員プロデュサーも次々に辞めて行くらしく、倒産するのではないか?という話がある。その噂を1人2人ではなく、多くの業界人から聞いた。
もし、先日の質問がクリアーになり、先方が乗り気になっても、撮影直前に倒産てなことになったら、また製作中止だ。
D社の裏切りでかなり酷いダメージを受けたが、それ以上の衝撃が走るに違いない。果たして、F社との話。進めるべきなのだろうか?
<つづく>
次回から「第1部完結編」スタート!
投資の可能性浮上Ⅱ /2005年3月 [第22章 絶望の連続篇]
(1)の問い合わせを考えると、F社はめずらしく、「ストロベリーフィールズ」の内容を分かっていると思えた。
これまでシナリオを読んだ企業は、「よく分からない話だ」「死神はやめた方がいい」「何がいいたいか?分からない」という反応だった。
それがかなり踏み込んだ指摘なので、F社は内容を理解しているように感じる。あと、美しい画面は必要不可欠。これも正解。
だからこそカメラマンには、イタリア人のような映像を撮るSさんを考えた。もう、4年前からお願いしている。
(3)の項目から考えても、F社は今までとは少し違う。Vシネマを作る会社は東京でさえ上映すればOKというところが多い。
なのに、和歌山以外の地区でも上映というのは、作品に力があると考えているのだろう。
これは久々に理解ある会社だ。ようやく運が向いて来たのかもしれない。が、あまり期待するとD社のように、大きな裏切りが待っていることもある。
すぐには信用せずに、用心しながら話を進めることにする・・・。
<つづく>