信頼と疑惑 /2005年8月 [第26章 殺されてもやる!篇]
応援してくれている社長を訪ねる。今度は、僕の方が信頼されなかった。
「なぜ、今になって製作費の3分の1がなくなるの? 何で、その会社が投資しなくなったの?」
そう聞かれた。説明すると、社長は首を捻る・・。
「それは変だ・・・怪しい。何か、あるんじゃないか?」
映画界では、信じられないような酷い話がある。ダマされる会社も多い。詐欺スレスレのこともある。いや、詐欺そのものというのもある。
社長は非常に慎重。同席した別の社長にも意見を求めてくれた。が、皆、首を捻る。
「監督とは付き合いも長いし、信頼もしている。でも、何か引っかかるものがある。その手のものには手を出さない方が安全。今回は応援できない。別の機会にまた仕事しよう!」
僕が先方にヤバさを感じるように、こちらが信頼されない事も多い。でも、時間がない。何とかせねば・・。
<つづく>