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第二三章 最終準備篇Ⅲ ブログトップ
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時間があればコンテ書き!  2005/9/10 [第二三章 最終準備篇Ⅲ]

 ここ数日は時間さえあれば、コンテ書き。

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 A4の用紙1枚書くのに、1時間はかかる。

 が、スタッフにイメージを伝えるのに必要。

 他にもいろいろと問題があり、対処せねばならないが、コンテも書かねばならない。

 クランクインまで1週間。膨大な量のコンテが必要なのに、間に合うのか?

 本日分。何枚か紹介する。

(つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間! 


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演出について(15)「A SONG FOR XX」2005/9/10 [第二三章 最終準備篇Ⅲ]

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 音楽は歌詞でイメージを膨らませる。

 シナリオは活字からイメージする。

 共通部分があり、若い俳優たちには伝わりやすい。

 東亜優には浜崎あゆみの「A SONG FOR XX」の歌詞が美香の気持ちだと伝える。
 
 でも、もっといろんな面からアプローチしたい。

 それでなくても、僕が作るドラマの世界観は理解されにくい。

 ジャンルでいえば「青春ファンタジー」なのだが、言葉通りに取ると「あれ?」と思うだろう。


(つづく)

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間!



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演出について(14)宿題CDリスト 2005/9/10 [第二三章 最終準備篇Ⅲ]


 尾崎豊/15の夜、17才の地図、卒業、forget-me-not、街路樹、永遠の胸。

 小田和正/伝えたいことがあるんだ。 

 長渕剛/CAPTAIN OF THE SHIP。

 浜崎あゆみ/A SONG FOR・・・。 

 カーペンターズ/青春の輝き。

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 よく聴くと、4人の気持ちを表すテーマソングにもなっている。

 マキは「15の夜」

 理沙はご存知「キラキラ」

 美香は「A SONG FOR・・・」、

 聴いているうちに「これは私の歌だあ!」と気づいてもらえるはずだ。
 
 話はそれるが、驚いたことがある。歌のことを伝える前。東亜優に最初、会ったのときだ。

 一番好きな曲は何?と聞くと・・。

 「あゆ(浜崎あゆみ)の『A SONG FOR・・・』です!」

 という。
 
 あの歌が好きだということは、歌詞と何らかの同体験があり、共感があると思えた。

 美香の気持ちは絶対に分かるはず! そう思って質問すると、美香そのもの思いを抱いていた。それが東起用の決め手となる。
 
 ないものを求めて無理に演じさせるより、俳優が持つ資質や経験、個性を引き出す方が素晴らしい演技に繋がるからだ・・・。

(つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間!

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演出について(13)宿題CD?(2006/08/30) [第二三章 最終準備篇Ⅲ]

 さらに俳優には感想文を書いてもらう。

 どれだけ世界観を理解してくれているか?も分かる。

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 そのレベルに合わせて稽古ができるし、別のアプローチも考えられる。

 この辺、映画というより、舞台演劇の発想に近いかもしれない。そして感想文から、他にもいろんなことが分かってくる! 例えば俳優の個性や実力。

 あと、ビデオだけでなく、宿題CDというのもある。

 新人の東亜優のように、これまで演劇経験がほとんどない上に、中学生の場合。理屈や言葉で伝えるより、一番馴染みがある歌がいいと思える。
 
 芳賀優里亜演じる理沙の気持ちを伝えるのも、言葉や映像ではなく音楽こそが相応しいと思え、小田和正の「キラキラ」を聴いてもらおうと思っている。 

 他にも俳優たちに、いろんな歌を聴いてもらっている!紹介しよう。

(つづく)

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間!

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演出について(12)宿題ビデオ・リスト 2005/9/10 [第二三章 最終準備篇Ⅲ]

 「小さな恋のメロディ」「ET」「冒険者たち」「リトルロマンス」

 「フィールド・オブ・ドリームス」「今を生きる」

 「刑事ジョンブック/目撃者」「素晴らしき哉!人生」「天国から来たチャンピオン」

 「時をかける少女」「生きる」

 アニメ映画「クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶモーレツ!大人帝国の逆襲」

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 テレビドラマ「特捜最前線ー殉職/地図を描く女」「木枯し紋次郎/峠に哭いた甲州路」、

 劇団・キャラメルボックスの「ブリザード・ミュージック」
 
 劇団・新感線の「髑髏城の七人」

 そして、僕が学生時代に作った自主映画「バイバイ・ミルキーウェイ」

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 さらに特定の俳優とスタッフには「ロード・オブ・ザ・リング」「赤ひげ」「野良犬」「砂の器」「ロボコップ」「おもいでの夏」等を見てもらった。

 タイトルだけ見ると「何じゃこれは!」と思えるが、出来上がった作品を見れば、「ああ、そういうことか!」と感じてもらえるはずだ!


(つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間!


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演出について(11)「小さな恋のメロディ」? 2005/9/10 [第二三章 最終準備篇Ⅲ]

 一見、今回の「ストロベリーフィールズ」とは、全然タイプの違う映画。

 テイストを伝えるために、たくさん見てもらう。

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 それほど今回の作品は、従来のカテゴリーには嵌りにくい。

 特に、年配のスタッフは理解しにくかったようだ。が、彼らも俳優と同じように膨大な数の宿題ビデオを見て研究。がんばってくれている。
 
 ただ、全ての作品を見て、全てを理解してもらう必要はない。どれかのビデオで「ああ、そうか!」と思ってくれれば、そこから『ストロベリーフィールズ』の世界に入って行ける。

 ちなみに今回の宿題ビデオのタイトル。紹介する。


(つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間!


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演出について(10)作品のテイストとは? 2005/9/10 [第二三章 最終準備篇Ⅲ]

 俳優に伝えなければならないことはまだある。一番難しいのは作品のテイスト。

 特に今回の「ストロベリーフィールズ」は伝えにくい。

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 簡単にジャンル分けすれば「青春ファンタジー」。「青春」の方は誰にでも伝わるが「ファンタジー」の部分が理解されにくい。

  「ロード・オブ・ザ・リング」だって同じファンタジーだ。でも、明らかに別もの。

 「ハリーポッター」だって、「オズの魔法使い」だって同じジャンル。けど、全然違う。「ストロベリー」は限りなく現実に近い物語。

 なのに、死神や幽霊が登場する。と言ってホラーではない。

 若い人たちはその種の漫画やドラマをよく見ているので、理解する。が、大人たちはかなり苦戦している。

 料理の味と同じで、それを言葉では説明しにくい。何かを食べてもらって「これに近い味!」というしかないのだ。

 それを明確に伝えないと俳優たちも、演技の質を決められない・・。

(つづく)



*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間!

(つづく) 


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演出について(9)役柄と役割の違い? [第二三章 最終準備篇Ⅲ]

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 他の作品でいうと鉄男は、劇団・新感線の舞台「髑髏城の七人」の橋本じゅんの存在に近い。

 彼の演技を参考にしてほしいとかではなく、物語における存在意味を感じてほしいのだ。

 ちなみに登場人物というのは全てに存在意味があり、役割がある。無意味なキャラは存在しない。必ず、意味がある。

 もし、意味のない人物が登場しているなら、それはシナリオが駄目だといえる。

 そんな鉄男はコメディリリーフに終わらない、さらなる「役割」も・・。黒澤映画「生きる」の小田切みき(女性?)と同じ役割も担っている!

 鉄男は単なるコメディリリーフではなく、主人公の夏美(佐津川愛美)に大切なことを伝える存在でもある。ここが「生きる」の小田切みきと同じ役割。

 あのウサギのシーン(?)。それと同じ意味を持たせたい・・・。

(つづく)

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間!


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演出について(8)赤ひげ  2005/9/10 [第二三章 最終準備篇Ⅲ]

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 ちなみに、三船美佳さん用のスペシャル宿題ビデオは・・・

 「赤ひげ」。黒澤明監督、三船敏郎・主演の名作。

 「たぶん、何度も見ていると思うけど・・」

 と父上の出ているビデオを渡すと笑っていた。彼女が演じた春美は、同作品で狂女を演じた香川京子がベースのひとつである。

 もちろん、同じようにやってほしいというのではなく、あくまでも方向性を示すためのもの。

 三船さんはそれを理解。いつも独自の表現で素晴らしい演技を考えてくれる。また、俳優にとって自分の役は理解できても、相手役が分からないとイメージが掴みにくいもの。

 特に今回はユニークな登場人物が多い。なのでビデオを見ることで「ああ、死神はこういうイメージなんだ!」「春美はこういう人か」と伝える。

 そして役柄だけではなく、役割を伝えることも大切。えっ、役割? 役柄じゃないの? と思うかもしれない。説明しよう!

 「役柄」というのはキャラクター。波岡一喜君演じる鉄男でいうと、「元不良で喧嘩っぱやいが、親分肌で面倒見がいい。行動的でまっすぐ」というのが役柄。

 で、「役割」というのは、その人物が物語の上でどんな意味を持っているか?ということ。鉄男だと、まず、コメディリリーフ。

 日本的にいえば狂言回し。悲しくなりがちな物語に、ときどき笑いを起こすというのが「役割」だ。

 (つづく)


*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間!







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演出について(7)宿題ビデオの意味  2005/9/10 [第二三章 最終準備篇Ⅲ]

 そして、「作品で描こうとしているものは何か?」を伝える。

 太田組ではその羅針盤として宿題ビデオを渡す。言葉を尽くして作品の世界観やスタイルを俳優に説明するよりも、映画を見てもらった方が遥かに深く伝わる。

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 それらビデオを今回は何と10数本も渡した。テープ代だけでもバカにならないので、僕が持っていたビデオ300本を潰してダビングした。

 その時間だけも膨大。部屋にいるときは、常に2台のデッキが稼働。寝る前にも必ずビデオをスタートさせる。単純に考えても、テープ300本のダビングには600時間!はかかる。

 こちらも大変だが、見る俳優の方も大変。もの凄い時間と労力が必要。いつも音を上げる俳優がいる。

 が、三船美佳さんは、本日の衣装合わせで会ったときもこう言ってくれた。

 「太田監督の作品に出ると毎回、たくさんビデオがもらえるので嬉しい! 今回は何かな?と楽しみにしているんですよ!」

 ま、そんなことを言ってくれるのは、以前にも仕事でご一緒した三船美佳さんだけで、他の俳優たちはかなり四苦八苦したはず! 

 でも、それが太田組式演出の第1歩だ!

(つづく)



*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと1週間!


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