田辺のデ二―ロ アフレコに挑む!(4-終)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
ところが、さすがデニーロ。
そんな不安を一切見せず、先ほどの芝居を思い出しながら、マイクに向って、
「おーー、マキかあ?」
(サキではない。今回は間違えない!)
と、セリフを言いはじめる。
2度ほど録音して、OK!。
これで本当に垣内さんの仕事は全部終了である。
こうして、用務員・古本さんとはお別れ。
いつもの、会社員に戻る。
数日後。
「あの暑い夏の撮影って何だったんだろなあ・・・」
そう思えた。
まさに真夏の世の夢。本当に自分は映画に出たのだろうか?
来年、春の「ストロベリーフィールズ」公開が楽しみだ!
田辺のデ二―ロ アフレコに挑む!(3)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
垣内さんの体験したのは、正確にいうと、アフレコではなく、
「オンリー録り」というもの。
そういっても分かりにくいので、「アフレコ」と伝えたのだろう。
撮影現場で、演技もよし、台詞もよし、全てOK。
でも、遠くをバイクが走る音が入っていた。
垣内さんはテレビの番組で見かけるような画面を見て、ヘッドフォンを被っての、アフレコだと思った。
来てみたら、いきなり8畳の和室でマイクを向けられ、
戸惑ったのである・・・。
(つづく)
田辺のデ二―ロ アフレコに挑む!(2)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
天国への階段シーン。
スタッフから、そこの台詞を録音したいといわれた。
「おーマキか?(サキではない)」「ワシら死んだみたいやな〜」「世の中そんなもんやー」
その3つの台詞。
深夜のロケ現場は虫が鳴いていたり、
遠くを車が走っている音が入ったりして、
リアルなノイズが入り天国感が損なわれる。
そこで静かな場所で台詞だけ録音し直し、
現場の音はなくして、天国の効果音を入れ、そこに台詞を嵌めるのである。
(つづく)
田辺のデ二―ロ アフレコに挑む!(1)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
この手の仕事には、「アフレコ」と「アテレコ」の2種類がある。
アテレコはアニメなど、すでに出来ている映像のキャラクターの口に合わせて、
声優さんが台詞を読み、録音すること。
つまり、絵に声をアテる。だから、アテレコ。
それに対してアフレコは、和製英語。アフターレコーディング。
映画などの撮影で現場では声を録音しなかった。
或いは騒音が凄くて、クリアーな音で撮り直したい。
というときにするのがアフレコ。
田辺市の市民俳優(?)デニーロ垣内さんは、そのアフレコだと言われて、
仕事が終わったその足でネクタイをしたまま、指定されたホテル(?)へ向かった。
田辺のデ二―ロ、天国の階段に挑む!(8ー終)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
そんなことで、一番の難関であり、
最後の出演シーンである「天国への階段」の撮影を終えた。
「これで出演は全部、終了や・・・」
ほっと一息。有休をとって、会社を休んでまで参加した映画初出演だった。
ところが、自宅に帰った垣内さんに、助監督チーフから電話。
「えー、これからアフレコをするので***ホテルまで来てもらえませんか?」
えーーーアフレコ!!
垣内さんの仕事は、まだ終わってなかったのである!
(つづく)
田辺のデニーロ、天国の階段に挑む(7) 2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
田辺のデ二―ロ、天国の階段に挑む!(6)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
田辺のデ二―ロ、天国の階段に挑む!(5)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
階段の両端には、小さなろうそくが並べられて火を灯す。
が、それだけでは弱いので、
照明部が火の色に近いオレンジ色のライトを後に設置している。
かなりの数があるので時間がかかりそうだ。
また、階段のそばにある街灯なども、止めないといけないので、
準備は垣内さんの到着する何時間も前、明るい時間から始まっているようだった。
あの世の感じを出すために、スモークも準備。風の具合とかを調べて、何度もテスト。
これまでNGを一度も出していない垣内さんだったが、
今回は台詞もある。そして大掛かりな準備を見ると、さすがに緊張。
とうとう、小さなのミスをしてしまう!
(つづく)
田辺のデニーロ/「天国への階段」撮影に挑む!(4)2005年9月14日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
そこに現れるのが、田辺代表俳優の垣内さん。
彼が演じるところの用務員・古本さんもまた、車の事故で死に天国へ行こうとしているのだ。
頭から包帯ぐるぐる巻きで、首からタオルをかけたまま階段をゆっくりと上がって来る。
そこでマキ(谷村美月)に呼び止められる。
「あっ、古本さん! ここは?」
「おー、マキか? ワシら死んだみたいやなあ・・」
という場面が展開する。
(つづく)
田辺のデニーロ/「天国への階段」撮影に挑む!(3)2005年9月14日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
場所は高山寺の正面の大階段。
そこに30名ほどのエキストラが参加、死者の役を演じる。
病院で死んだ人もいるはずなので、パジャマ姿の人。
事故で死んだ人もいるので血まみれとか、
いろんなバリエーションの衣裳やメイクで出演する。
そんな死者たち。ぞろぞろと階段を上がって行く中、
マキ(谷村美月)が意識を取り戻し、
美香(東亜優)や理沙(芳賀優里亜)と再会するというシーンである。
そこに登場するのが田辺のデニーロこと。地元・俳優の垣内さんである。
(つづく)
田辺のデニーロ/「天国への階段」撮影に挑む!(2)2005年9月14日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
田辺のデニーロ/「天国への階段」撮影に挑む!(1)2005年9月14日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
この「ストロベリーフィールズ」日記。
いつもは監督である僕の目から見た、撮影現場をご紹介している。
でも、別の視点で見れば、違った風に見えるだろう。
なので、ときどき、地元オーディションで選ばれた、田辺在住の垣内さんの視点で描く
「田辺のデニーロ日記」というのを、紹介している。
これが結構人気! その垣内さんが出演したのが、本日の「天国への階段」シーン。
事故で死んだ用務員・古本さん(演じるは垣内サン)が天国に昇天してくる場面。
そこで垣内さんは何を見て、何を感じたのか?
その辺を次回から、ご紹介して行く。
(つづく)