田辺のデ二―ロ アフレコに挑む!(4-終)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
ところが、さすがデニーロ。
そんな不安を一切見せず、先ほどの芝居を思い出しながら、マイクに向って、
「おーー、マキかあ?」
(サキではない。今回は間違えない!)
と、セリフを言いはじめる。
2度ほど録音して、OK!。
これで本当に垣内さんの仕事は全部終了である。
こうして、用務員・古本さんとはお別れ。
いつもの、会社員に戻る。
数日後。
「あの暑い夏の撮影って何だったんだろなあ・・・」
そう思えた。
まさに真夏の世の夢。本当に自分は映画に出たのだろうか?
来年、春の「ストロベリーフィールズ」公開が楽しみだ!
2010-02-21 02:00
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田辺のデ二―ロ アフレコに挑む!(3)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
垣内さんの体験したのは、正確にいうと、アフレコではなく、
「オンリー録り」というもの。
そういっても分かりにくいので、「アフレコ」と伝えたのだろう。
撮影現場で、演技もよし、台詞もよし、全てOK。
でも、遠くをバイクが走る音が入っていた。
垣内さんはテレビの番組で見かけるような画面を見て、ヘッドフォンを被っての、アフレコだと思った。
来てみたら、いきなり8畳の和室でマイクを向けられ、
戸惑ったのである・・・。
(つづく)
2010-02-20 02:00
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田辺のデ二―ロ アフレコに挑む!(2)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
天国への階段シーン。
スタッフから、そこの台詞を録音したいといわれた。
「おーマキか?(サキではない)」「ワシら死んだみたいやな〜」「世の中そんなもんやー」
その3つの台詞。
深夜のロケ現場は虫が鳴いていたり、
遠くを車が走っている音が入ったりして、
リアルなノイズが入り天国感が損なわれる。
そこで静かな場所で台詞だけ録音し直し、
現場の音はなくして、天国の効果音を入れ、そこに台詞を嵌めるのである。
(つづく)
2010-02-19 02:00
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田辺のデ二―ロ アフレコに挑む!(1)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
この手の仕事には、「アフレコ」と「アテレコ」の2種類がある。
アテレコはアニメなど、すでに出来ている映像のキャラクターの口に合わせて、
声優さんが台詞を読み、録音すること。
つまり、絵に声をアテる。だから、アテレコ。
それに対してアフレコは、和製英語。アフターレコーディング。
映画などの撮影で現場では声を録音しなかった。
或いは騒音が凄くて、クリアーな音で撮り直したい。
というときにするのがアフレコ。
田辺市の市民俳優(?)デニーロ垣内さんは、そのアフレコだと言われて、
仕事が終わったその足でネクタイをしたまま、指定されたホテル(?)へ向かった。
2010-02-18 02:00
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田辺のデ二―ロ、天国の階段に挑む!(8ー終)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
そんなことで、一番の難関であり、
最後の出演シーンである「天国への階段」の撮影を終えた。
「これで出演は全部、終了や・・・」
ほっと一息。有休をとって、会社を休んでまで参加した映画初出演だった。
ところが、自宅に帰った垣内さんに、助監督チーフから電話。
「えー、これからアフレコをするので***ホテルまで来てもらえませんか?」
えーーーアフレコ!!
垣内さんの仕事は、まだ終わってなかったのである!
(つづく)
2010-02-17 02:00
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田辺のデニーロ、天国の階段に挑む(7) 2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
「谷村美月さん。本当に凄いんですよ。真剣に役に入っていて、
10代やのに、ほんまにプロやなと思いました。
その気迫。怖いくらいでした。ホンマに凄い子です」
デニーロ垣内さんも、そのシーンでは台詞があり、かなり緊張していた
が、谷村の一言でプロの厳しいさを痛感。さらに緊張したという。
が、これは後日談がある。どうも、谷村も垣内さんをプロの俳優だと思っていたらしい。
「あの人。田辺の方だったんですね? 全然、知らなかった・・・」
とか言っていたようだ。
だとすると、やはり、垣内さんも凄い。
天才少女・谷村美月にプロと間違われるのは、かなりなものである!
(つづく)
2010-02-16 02:00
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田辺のデ二―ロ、天国の階段に挑む!(6)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
暗闇の中、待機する30人を越えるエキストラ。
白いスモークが撒かれて、照明機材が点灯される。緊張感が走る。
「よーい。スタート!」
天国への階段シーンのリハーサルが始まった。
マキを演じる谷村美月が目を開けると、死者たちが天を目指して階段を上がって行く。
その中に用務員の古本もいる。
「あっ。古本さん」マキの声で、彼は足を止めて振り返る。
「おー、サキか・・・?」
「マキです!!!」
谷村の真剣で厳しい声に、古本役の垣内さんは思わず
「すみません・・」と謝る。あとで聞くと、こういっていた。
(つづく)
2010-02-15 02:00
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田辺のデ二―ロ、天国の階段に挑む!(5)2005年9月24日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
階段の両端には、小さなろうそくが並べられて火を灯す。
が、それだけでは弱いので、
照明部が火の色に近いオレンジ色のライトを後に設置している。
かなりの数があるので時間がかかりそうだ。
また、階段のそばにある街灯なども、止めないといけないので、
準備は垣内さんの到着する何時間も前、明るい時間から始まっているようだった。
あの世の感じを出すために、スモークも準備。風の具合とかを調べて、何度もテスト。
これまでNGを一度も出していない垣内さんだったが、
今回は台詞もある。そして大掛かりな準備を見ると、さすがに緊張。
とうとう、小さなのミスをしてしまう!
(つづく)
2010-02-14 03:00
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田辺のデニーロ/「天国への階段」撮影に挑む!(4)2005年9月14日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
そこに現れるのが、田辺代表俳優の垣内さん。
彼が演じるところの用務員・古本さんもまた、車の事故で死に天国へ行こうとしているのだ。
頭から包帯ぐるぐる巻きで、首からタオルをかけたまま階段をゆっくりと上がって来る。
そこでマキ(谷村美月)に呼び止められる。
「あっ、古本さん! ここは?」
「おー、マキか? ワシら死んだみたいやなあ・・」
という場面が展開する。
(つづく)
2010-02-13 02:00
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田辺のデニーロ/「天国への階段」撮影に挑む!(3)2005年9月14日 [田辺のデ・ニーロ体験記]
場所は高山寺の正面の大階段。
そこに30名ほどのエキストラが参加、死者の役を演じる。
病院で死んだ人もいるはずなので、パジャマ姿の人。
事故で死んだ人もいるので血まみれとか、
いろんなバリエーションの衣裳やメイクで出演する。
そんな死者たち。ぞろぞろと階段を上がって行く中、
マキ(谷村美月)が意識を取り戻し、
美香(東亜優)や理沙(芳賀優里亜)と再会するというシーンである。
そこに登場するのが田辺のデニーロこと。地元・俳優の垣内さんである。
(つづく)
2010-02-12 02:00
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