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第一章 マキを探せ!篇 ブログトップ
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「ストロベリーフィールズ」キャスティング状況 2005/8 [第一章 マキを探せ!篇]

夏美・・・・内気な女子高生。友達がいない。8ミリカメラが趣味

マキ・・・・谷村美月!!

理沙・・・・成績優秀。スポーツ万能のお嬢様。でも、クラスの影番。

美香・・・・学級委員。面倒見がいい。でも、友達がいない。


鉄男・・・・元不良。今はお寺で修行中。マキ、夏美の兄貴分。

春美・・・・・夏美の姉。事故で片足、今は夏美をいじめている。


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マキ役は谷村美月に決定! (2005/8) [第一章 マキを探せ!篇]

 キャスティング再開。

 クランクインは目の前。主演女優はまだ決まらない。とりあえず、他の役から決めていくことになる。

 「マキ役はどうしますか?」

 というプロデュサーの言葉。間髪入れずに答えた。

 「谷村美月で行きたいです! 彼女しかいません!」

 Pはその場で事務所に電話。数日後に返事。シナリオを読み、OKとのこと。谷村美月自身も「ぜひ、マキをやりたい!」と言っているという。

 よっしゃあーー!間に合ったぞ! 天才少女ゲット!!!!! これで「ストロベリーフィールズ」は間違いなく、感動作になる!

 こうして、いよいよ、谷村美月と、会うことになった!

<つづく>


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「カナリア」谷村美月の魅力(2005/8) [第一章 マキを探せ!篇]

 僕が子供の頃。昭和40年代は男でも女でも、そんなタイプがまだ存在した。が、この21世紀でそんな子を探すことのは、広い芸能界の中でも難しいと思われた。


 もう砂漠で新たな油田を掘り当てようとするようなもの。なのに原油が吹き出したのである。

 それが谷村美月だ。

 映画「カナリア」で彼女が演じた少女は、まるで戦後の混乱期を生き抜けようとするかのようなパワーと行動力、したたかさを持ちながら、悲しみを抱え、少女らしい繊細も兼ね備えていた。

 そこには僕が求めた「マキ」と共通するスピリッツがある。

 もちろん、同じ不良とはいえ「カナリア」の由希役と「ストロベリーフィールズ」のマキ役には、根本的に大きな違いがある。が、谷村ならマキを演じることができると思える。

 さて、ジリジリしながら待つこと数カ月!ようやく、キャスティングが再開された!

<つづく>


タグ:カナリア
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マキ役のイメージは石橋正次? (2005/8) [第一章 マキを探せ!篇]

 「ストロベリーフィールズ」は、昭和40代イメージのドラマ。マキは昔ながらの不良にしたかった。

 ただ、単なる不良ではなく、誰が何と言おうと自分の信じることを押し通そうとする子。人の迷惑を顧みずに突き進む子。

 それでいながら本当は繊細で、人一倍感じやすくて、深い悲しみを隠している。でも、それを人には見せないで強がっている子なのだ。

 「飛び出せ!青春」で、不良少年を演じた石橋正次が近いと思う。

 「あしたのジョー」の矢吹ジョーの子供時代も、そんな感じではなかったかと想像する。

 ただ、それを男の子でやっても、今の若い世代にはリアリティがない。が、女の子なら行けるはず。見る人に何か強い感銘を与える役になる。

 いい子、悪い子とかいうことではなく、悲しみを抱えながらも強い生命力があって走り続けようとするマキに、何かを感じると考えた。作品のテーマにも関係する重要な役。

 しかし、問題はそんなマキを演じられる子が、今の時代にいるのだろうか?

<つづく>


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黒澤明の嘆き /2005年8月 [第一章 マキを探せ!篇]

 巨匠・黒澤明が晩年、こう嘆いていた。

 「戦国の侍を演じられる顔をした俳優が、いなくなった・・」

 それも同じ理由だと思う。

 不良や戦国の侍というのはある意味で同じ。エネルギーが有り余っていて、社会の作った枠やルールに収まり切らない人たちと言える。

 そんな昔ながらの不良の背景にあったのが戦後の貧しさであり、昔ながらの古い体質だと思う。それらに反抗し、もがいていたのが不良と呼ばれた連中だ。

 が、その後、日本という国がどんどん豊かになり、表面上はどんどん平等になり、全てを均一的に育てようとする教育が定着した。

 若い世代に昔のようにギラギラとした、したたかで、人を殺してでも生きて行こうという、バイタリティのあるタイプがいなくなってきた・・・。

 その時代背景が侍の顔を持った俳優が育たず、昔ながらの不良がいなくなった理由と思える・・・。

<つづく>


タグ:黒澤明
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不良役の俳優がいなくなった理由(2005/8) [第一章 マキを探せ!篇]

 そこまで入れ込むには理由がある。もちろん「カナリア」での谷村美月の演技が素晴らしかったということが第1。だが、マキという役柄の難しさがある。

 例えば、最近の「金八先生」を見ていても分かるが、初期のシリーズのように三原順子、沖田浩之、直江喜一らが演じたような典型的な不良という生徒キャラがいなくなっている。

 それを「生徒に個性がなくなった」という評論家がいたが、それは間違い。学校関係で仕事をする友人に聞いても、昔のようなタイプの不良はいなくなり、没個性化がどんどん進んでいるという。

 生徒役に個性がなくなってきたのはリアルだということ。しかし、それは同時に、昔のような不良を演じられる若い俳優も、いなくなってきたということでもある。

<つづく>


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マキ役候補・谷村美月!(2005/8) [第一章 マキを探せ!篇]

 今年(2005)の春。映画「カナリア」を見たあとすぐ、今回の映画「ストロベリーフィールズ」の製作を請け負ってくれた会社に連絡した。

 「マキは、谷村美月で行きたい! すぐに出演依頼をしてください!」

 だが、キャスティング以外にさまざまな問題、段取りがある。「もう少し待ちましょう・・・。まだ、マキ役を依頼する段階ではないですよ・・・」といわれた。

 不安がこみ上げて来る・・・。

 今はまだ、谷村美月といっても誰も知らない。業界でも知られていない。映画通の友人に聞いても聞いたことはないという。出演作も「カナリア」以外にはないようだ。

  だが、あれほどの演技力を持つ凄い子。「カナリア」を見た監督やプロデューサーなら、見る目のある業界人なら、絶対にドラマに出したくなるだろう。

 いや、すでに依頼が殺到しているかもしれない…。

 なので、ことあるたびに「出演の打診をしてほしい」と社長に進言。でも、主役の夏美役さえもまだ、候補者を上げていない段階。無理なのも分かる。

 けど、谷村を他の作品に取られたくない!「早く依頼しないと…」という気持ちがどんどん強くなって行く。

 もし、1カ月後に出演依頼したとき。

 「残念ですね。1週間前に別の作品が決まって…」

 そう言われたら、悔やむに悔やみ切れない。 あの天才少女を見逃しておくほど、業界も悠長ではないはずだ・・・。

<つづく>


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映画「カナリア」の少女Ⅱ (2005/8) [第一章 マキを探せ!篇]

 こんな凄い日本映画があるんだ!! 打ちのめされた。今年のベストムービーの1本。

 映画自体、素晴らしい出来で感動したのだけど、何よりヒロインの関西少女が凄かった!もう、漫画「じゃりん子チエ」の主人公チエちゃんが、そのまま抜け 出してきたような子!

 関西弁バリバリ!もの凄いパワーで、主役の男の子を食った上に、物語を引っ張って行く。

 いや、キャラクターが凄いというより、そ の子を演じる少女が凄いのだ。こんな10代の女優がいるなんて驚き。

 同時に嬉しさもこみ上げていた。ついに見つけたのだ!この子なら「ストロベリーフィールズ」のマキを演じることができる! 何年も候補者を探していたが とうとう見つけたと思えた。

 あの役もなかなか難しく、アイドル女優では無理。イメージでいうなら、昔の青春ドラマ「飛び出せ!青春」に出ていた石橋正次が演じた不良少年を、女の子に置き換えて現代的にしたような子。

 なかなか相応しい子がいなかったのだが、ついに見つけた!パンフレットを買って調べる。名前を 「谷村美月」といった…。

<つづく>


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映画「カナリア」の少女 (2005/8) [第一章 マキを探せ!篇]

 昨年、2004年に僕が見た映画のベスト4。

 「シルミド」
 「オールドボーイ」
 「ラブストーリー」
 「追憶の殺人」

 みんな韓国映画!でも、どれも凄いパワーで 圧倒された。悔しいけど日本映画は完敗。ハリウッド映画さえ超える感動で、どの作品にも泣かされた。

 今年05年は、日本映画が面白い。現時点でのベストは2本。1本が井筒和幸監督の「パッチギ!」そして、もう1本が塩田明彦監督の「カナリア」。これは衝撃だった。

 物語はオウムをモデルにした宗教団体から逃げ出した男の子が、祖父に連れて行かれた妹を取り返すために、大阪から東京へ旅するというもの。
 その途中か らバリバリの関西人少女と行動することになり、さまざまな人と出会うというストーリー。

 そしてクライマックスは雨の中、先を尖らせたドライバーを握りしめて祖父の家に向う少女。
 「銀色の道」という懐かしさ溢れる歌が流れると、もう、訳も なく涙が込み上げる・・・。

 (つづく)


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あの子にアプローチ!(2005/8) [第一章 マキを探せ!篇]

 地元から連絡あり。何とか主演女優だけは田辺での会議までに、決めてほしいとのこと。

 やはり、映画製作発表を行うのに主演が決まってないので、格好がつかない。必要なことである。

 こちらも主演が決まらないと、まわりをキャスティングができない。ただ、時間もないので、決められるところから決めて行くことになる。

 よし! だったら、前々から気になっているあの子にアプローチだ!

<つづく>


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