僕のシナリオ執筆法(Ⅸ)2005/8 [第三章 春美を探せ!編]
よく、「太田作品は少女が、生き生きと描かれている」といっもらえる。でも、実は演出というより、シナリオ段階で本人に近づけておくことでの効果。
つまり、「いかに俳優が魅力的か?」ということ。演じるより、本人の素が一番魅力的だからだ。
あの名作「理由なき反抗」でジェームズ・ディーンは10代の孤独感をもの凄く見事に演じていた。もちろん、ジミーが名優だからということがある。
でも、撮影前に彼は結婚しようと思っていた彼女と別れたばかり。その淋しさが映画にも出てしまったのである。
「男はつらいよ」の渥美清が演じるテキ屋の寅さん。実際に渥美清はその種の仕事をしていたし、「金八先生」の武田鉄矢は教師になろうとして、実習までしている。
その辺が強いリアリティを感じさせるのだ。本人が持っているものは、やはり強い。それを生かさない手はない。
今回も俳優たちに会ってから、本人に合わせて若干シナリオを直すつもり。僕の場合はドラマでも、半分はドキュメンタリー。
それが出演者をさらに輝かすことになるはず・・。
<つづく>