屋敷町・懐かしい路地(上) 2005/9/2 [第十章 メインロケハン篇]
田辺市にはバブルの波は届かず、巨大資本により違和感のある観光地は作られずに済んだ。
だが、それでも昔ながらの美しい風景や建物は、壊されつつある。町にはどんどん新しい家が建ち、景観が崩れつつある。
古い木の塀と木造住宅が美しい一角でも、背後に近代的なビルが見え、アメリカ風のお店がある。
昭和40年代の雰囲気に浸っていても、現代に連れ戻されてしまう。
僕が好きな屋敷町でも、それは同じ。
けど、1カ所だけ、右を向いても左を向いても、木造のお屋敷しか見えないという場所がある。熊楠邸の隣にあるブロック。T字路になっている場所。目印は写真下の標識。
入り口は古い木造の家。写真下の家の右横から入る。
家を左に見ながら路地に入って行くと、車が1台通れるかどうかの細い道。両側のほとんどが、木造のお屋敷。
そこを進むと側面は、木造の塀。
この通りを歩く数分の間。昭和40年代どころか、明治、江戸の時代にタイムスリップできる。まるで時代村にいるような感じで、しばし現実を忘れられる。
これは『ストロベリーフィールズ」の撮影にも、非常に好都合!
(つづく)