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キャスティングの難しさ(上)さまざまな方法論 2005/9 [第十八章 最終キャスティング篇]

 キャスティングというのは本当に難しい。
 有名な監督が「100の演出より、1つの配役」と言っているが、まさにその通り。

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 台詞で生い立ちを話させることで役柄を説明するよりも、見るからにそれが分かる俳優さんをキャスティングする方が伝わるものなのだ。
 その俳優が出てくることで、その人が持つ背景、生い立ち、性格、人柄、が観客に伝わるからである。それと役がダブれば強いリアリティとなる。俳優本人の人間性が出るのだ。

 そしてキャスティングは、単に演技力のある俳優を揃えればいいというものでもない。俳優同士の関係性も重要。

 「あ・うん」と言う映画では、高倉健と板東英二は親友同士という役柄。でも、大俳優の高倉健相手に親友を演じるのは大変。板東英二には遠慮が見え隠れして、先輩後輩のように感じられた。

 俳優同士が本当に親友同士。或は恋人同士ということで、リアリティが出るということもある。長淵剛と志保美悦子が出演した「男はつらいよ」の一編。明石家さんまと大竹しのぶが共演した「男女七人夏物語」の息の合った演技が好例。

 また、水谷豊という俳優さんは、相手役が大物だと、「食ってやる!」という位のパワーを出して演じることが多い。
 「傷だらけの天使」の萩原健一、「男たちの旅路」の鶴田浩二。それら大物2人を相手に一歩も引かない名演技を見せ、ドラマを盛り上げた。

 同じ方法論で、「この3人組の1人に、凄く負けず嫌いな子を入れる。と、あとの2人もがんばるな・・」とか。
 「この2人は過去の作品でも、火花を散らしたライバル同士。対立する役なら互いに競い合って、名演技を見せるはず」とか。

 そんな計算をすることもある・・・。


 <つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと11日!




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