時をかける少女・Ⅱ 2003年3月22日 [第4章 尾道ロケハン篇]
当時、僕はアメリカ映画一本槍。映画といえば「ハリウッド!」「日本映画なんてタダでも見たくない!」という発想だった。
そんな中で「ねらわれた学園」「転校生」で、大林宣彦という人は他の日本人監督とは違う・・と感じたので、新作の「時をかける少女」は注目していた。
2本立てで見たのだが、もう1本が何だったか?(「探偵物語」ではなかった)が思い出せないほどのショックを受ける。(写真下は原田知世が、お堂から落ちて来る瓦を避けたシーンのロケ地)
映画館を出てしばらく呆然としていた。泣けた!とか、感動した!というのではない、打ちのめされたという感じ。
あれほど嫌いだった日本の古い家並みが美しく、ファンタジーがそこにフィットしている。言葉にはできないものが溢れていた。
以後、大林宣彦監督というのは、僕の中で最も尊敬すべき監督となる。その大林さんの古里で、ロケ地を探そうとするのだが、足掻けば足掻くほどに自分の無力を感じて行く。
この町で大林映画に負けない作品を撮ることは、至難の業だということを痛感して行くばかりである・・。(つづく)