石垣と物語は同じ? /2005年8月 [第25章 脚本は切らない!篇]
同時に、物語というのは石垣を積み上げた城でもある。
積み終わったあとに、途中の石を1つを外すと全部が崩れてしまうことがある。別の石を入れるのでさえ難しい。それを外したままにするのは至難の業である。
石垣の上に建った天守閣が、崩れ落ちることもある。それが物語というもの。
だが、映画作りに携わっている者でも、それを理解している人は少ない。先の友人もそうだが、登場人物を減らせばOKと思いがち。
これが城作りなら目に見えるが、物語というのは形のないもの。非常に分かりにくい。しかし、現実問題として、登場人物を2人減らす必要がある。
時間をかけて考えれば、最善の策があるかもしれない。短縮が必要と言われたのはつい最近。キャスティングも進めているし、スタッフとの打ち合わせもある。
ロケ場所もまだ見つかっていないところがあるし、さまざまな仕事がある。その状態でシナリオに集中し、物語を壊さずに縮小するのは・・・辛い・・・。
<つづく>