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オタクPが映画をダメにする(上)激怒する友人 2005/9/5 [第十四章 撮影直前・準備篇]

 脚本家の友人から厳しい話を聞いた。僕も似たような状況なので、他人ごとではなかった。

 友人が担当する作品。出資を予定していたスポンサーの1社が、突然に撤退。製作費がかなり減った。「この額で撮影はできない!」といい、P(プロデュサー)はシナリオを短くし中身を削るよう指示した。

 おかしな話だ。そもそも製作費を集めるのはPの仕事。逃げられたらなら、別のところから集めてくる責任がある。その努力せずに、尻拭いを脚本家にさせたのである。

 予算がないからと、完成しているシナリオを削ったら、確実にレベルが下がる。全くダメな作品になる可能性も高い。その長さが必要で、書かれた物語だ。
 ビル建設で言えば、すでに手元にある設計図を見て、鉄筋を2割減らしてくれというようなものである・・・。

 それでも友人の脚本家は、必死に考えて物語を削った。与えられた日数は少ないが、何とかシナリオを短くした。が、所詮は応急処置。時間を置いて読むと問題点がいろいろと出て来る・・・。

 数日で短くした物語に問題が出ない訳がない。ビルだって鉄筋を減らせば壊れやすくなるのだ。
 友人は数週間かけて、もう一度直した。多くの問題は解決される。一番最初のバージョンと同じレベルとはいえないが、限りなく近いレベルにまで上げた。

 壊れかけた家を直す場合でも、数日で応急処置をするより、数週間かけてしっかり直した方がよくなる。シナリオも同じだ。
 なのに、いよいよシナリオ決定稿を印刷する! という直前になって、別の若いPがクレームをつけてきたという・・・。

<つづく>

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと12日!


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