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涙の本読み(18)青春の輝き 2005/9/9 [第二二章 涙の本読み篇]

 ここで音楽スタート。ラジカセをオン!「青春の輝き」が流れ出す・・・。

 最後のト書きも、僕が読んだ。

 「マキが向こうでシャボン玉をしていたが、手を振り駆けて来る。そして抱き合って喜ぶ。振り向くと今度は美香が駈けて来る。

 手を取り合って喜ぶ。後ろには冷めた笑顔の理沙。イチゴを摘むと歩き出す。

シナリオ5.jpg

 美香、8ミリカメラをまわす。理沙、カメラを借りて夏美を撮影。難しいな?という顔。

 風に舞うシャボン玉。マキ、イチゴを摘んで食べる。理沙、髪を掻き上げながら夏美に語りかける。 
 
 夏美は、仲間に囲まれて本当に嬉しそう。広がる青空が四人をいつまでも見守っていた・・・(了)」

 シナリオは最後まで読んだ。

 でも、誰も何も言わない。立ち上がる者もいない。少女たちは、声を上げて泣いている。

 感動がその部屋を包んでいた。素晴らしい芝居を見たとのように、誰も口を聞かす、その余韻に浸っている。

 カーペンターズの「青春の輝き」だけが、優しく流れていた。スタッフも誰も、「さて!」と言い出さず、ティッシュを取り出す。或いは腕を組んで考え込んでいる。

 佐津川愛美は、何度もハンカチで涙を拭う。谷村美月、まるで泣かされた子供のようだ。

 打ちのめされたかのように動かないのは芳賀優里亜、必死に涙を堪えていた。

 波岡一喜、その3人を優しく見つめている・・。

 カーペンターズの歌が終わり、部屋には静寂が訪れた。僕は、3人娘に声をかける・・・。

(つづく)

*映画「ストロベリーフィールズ」クランクインまで、あと8日!




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