谷村、嬉しそう。
とはいえ、トロフィーには役名が彫られているだけ。でも、大切なこと。
作るのが面倒な小道具を作ったり、その役に合った物を集めること。時間もお金もかかる。
が、それらが芝居をする上で、大きな役割を果たす。
名前が入っているだけでも、俳優はそこから想像力を膨らます。演技の奥行きが出来る。
また、スタッフの努力に応えようと、がんばる。だから、スタッフも努力して小道具を用意する。
トロフィーはサード君から、谷村美月へのエールでもあるのだ。
それを伝えたかった。
鋭い谷村。それを理解し、喜んでくれる。
説明を終え、現場に戻ろうとする。と、谷村がこう言った・・。
(つづく)