天才少女と「心の扉」(5)2005/9/21 [撮影5日目(五)マキの成長]
クールなマキでOKを出し、次のショットへ。
マキ(谷村美月)の背後にカメラを移動、美香(東亜優)を撮影する。芝居は先と同じ。
美香がマキの台詞に答える部分を撮る。このように、先に撮ったシーンの反対側から芝居を撮ることを「切り返し」という。
昼間の撮影だが、例によって照明も設置されている。カメラが動くときは、照明機材も移動。電源コード等も取り外す。
反対側に設置して、先の芝居と同じライティングをする。かなりの時間が必要。30分ほどかかって、全ての機材を配置。再び、同じシーンの撮影だ。
「その深町に告白しよう。今は・・社会人野球をしてたよな・・」
マキがそう言い、美香がそれに答える部分。今回、カメラは美香を狙っている。まず、リハーサル。
先に同じシーンを撮っているが、技術部にとっては条件が違うので、もろもろを確認が必要。マキと美香の会話がスタート。
マキ「美香。会いに行こう! そこで夏美が話せ。美香がずっと好きだったって伝えるんだ!」
美香(東亜優)「(嬉しそう)」
途中で、あることに気づいた。マキの台詞。言い回し。さっきとは違い、美香に対して「心の扉」を開いた話し方をしている!
そう、僕が説明した通りの「マキの優しさ」が表現されているのだ! 思わず声を上げた。
「マキ! それだよ! それがさっき、僕が説明した『心の扉』を開いた表現だよ!」
(つづく)